月別アーカイブ: 2013年4月

ドメーヌ フィリップ・パカレ・・・

正規代理店による生産者来日に伴い行われた試飲会にお邪魔して参りました。

昔ながらの製法に近年の技術を組み合わせて、本物のブルゴーニュワインを造り続ける 自然派の旗頭にして化学的理論派の造り手。

エピのオープン以来ワインリストに掲載されているドメーヌです。

ドメーヌ フィリップ・パカレ当主

フィリップ・パカレ氏。

『野性酵母を守る為』

このドメーヌのワイン造りはここから始まってます。

昔ながらのピジャージュの方法も、全梗発酵も、発酵中に温度管理をしないのもこの為の事です。

やはり、哲学を持った造り手の話は頭にスッと入ってきて本当に面白く、参加者全員聞き入ってしまいました。

パカレ氏の来歴については、知らない方は居ないと思いますので割愛しますが、ブルゴーニュを代表する造り手の一人であることに異論のある人は居ないでしょう。
ワイン造りに関して 質問すれば何でも即答してくれます。

まるで醸造学校の講師。

今回、数多ある全房発酵のメリットの中のひとつ(今まで、本などでは知り得なかった事)を聞くことが出来てとても有意義でした。o0400030012486277865ヴィンテージ毎に異なるワインの色調等について伺ったところ、
「毎年同じ方が変だと思う。ヴィンテージを映し出しているのだからそれで良いし、土壌も毎年進化しているから違いが有って当然だと思う」

パカレ氏のワインは、最初凄く色が薄く見えるのですが、口に含むと複雑で深遠。
とても不思議な感覚に陥ります。

「伝統的なスタイルで本物のブルゴーニュワインを造りたい」
と 仰っていたのがとても印象的でした。


最後に 「ワインにとって色は重要ですか?」
の私の質問には・・・
「NON」。

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パカレさん、テラヴェールさん、貴重なお時間を有難う御座いました!

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ドメーヌ フランソワ・ラマルシュ・・・

ヴォーヌ・ロマネ村滞在中、《ドメーヌ アンヌ・グロ》が敷地内に経営するシャンブル・ドットにお世話になっていたのですが、その隣の家が《ドメーヌ フランソワ・ラマルシュ》です。

毎朝 主要畑を散策する際、その家の前を通ることになるのですが、ドメーヌの庭の手入れをしていた植木職人の方が私をワイン好きの旅行者と見るなり
「ここのワインを飲んだ事あるか?とても良いワインを造っているよ」
と声を掛けてくれました。o0400030012482900664そういえば、畑を改良しはじめてからのニコールさんの造るワインは評価が上がってきています・・・o0400030012481290186有機栽培が実を結んできたのでしょう、土も柔く、良く耕されていました。
(2010年に認証取得)
o0400030012481290185醸造の学校で教わった事を鵜呑みにするわけでもなく、どこかに修行に出たわけでも無く、コンサルタントを雇っているわけでもない、ほほ独学で高評価のワインを造り出しているのですから、これから益々楽しみなドメーヌです。

そもそも ヴォーヌ・ロマネ村に住んで グラン・クリュの畑をモノポールで所有しているというだけで、世界中から注目を浴びてしまい、さぞかし大変だろと思いますが・・・実に良くやってらっしゃる。

お若いのに偉いです。

さて・・・o0225040012481291321

前回のブログでお話ししたヴォーヌ・ロマネ村にある5つの十字架をご紹介します。
上の十字架は〈ラ・ターシュ〉から〈オー・マルコンソール〉方向、畑を囲っている石垣の突端にある十字架。
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〈ラ・グランド・リュ〉と〈ロマネ・コンティ〉の間の道を登って行った先、〈ラ・ロマネ〉の更に上付近にある、一番標高の高い十字架。
o0400030012481290676世界一有名な十字架。

o0400030012481290675アンリ・フレデリック・ロック氏所有畑に位置する〈クロ・ゴワイヨット〉の十字架。o0400030012481290674前回のブログでご紹介した、〈ラ・クロワ・ラモー〉にある、ヴォーヌロマネ村で一番古い十字架。
ヴォーヌ・ロマネ一級〈クロワ・ラモー〉は、《ドメーヌ フランソワ・ラマルシュ》がかなり良いワインを造っています。

因みに今回のブログで使用している写真は全部同じ日、時間にして約2時間から3時間の間に撮ったもので、時系列通りにアップしてあります。

つまり、空模様を見ていただくとお気付きかと思いますが、僅か2~3時間の間でこの有り様。

ブルゴーニュ地方の天候の不安定さが少しは伝わりますでしょうか・・・