日別アーカイブ: 2013年4月7日

シャンボール・ミュジニー村・・・

ドメーヌ フィリップ・シャルロパンの次期当主 ヤン・シャルロパン氏は次に取得したい畑の筆頭に “ミュジニー グラン・クリュ”を挙げていました。o0400030012491669809この特級畑を手掛けたくないという造り手は居ないと思います。o0400030012491636602しかし、ブルゴーニュの”グラン・クリュ”畑は、まず誰かが売りに出してくれるか、既得している所有者が貸してくれないと、どうにもなりません。

手離す理由として良く聞くのが、高い 相続税を支払う為に畑の一部を売却する事。

この場合、まとめて売られる事が多いのですが、買い手はだいたい銀行、金融系や ワイン造りに関係の無いお金持ち。

次に人手に渡る時には、高額になり、 個人での取得は難しくなります。

その次に、フランスの法律では、兄弟、姉妹は均等に遺産を分配されるのですが、仮に相続税が払えたとしても 誰か一人でもワイン造りに興味がなければ、その人は売却してしまいますから、相続人の人数が増えれば増えるほど所有畑の面積は小さくなり、 買い手は、畑が細分化した状態で買うか、借りるしかなくなります。

余りにも小さい畑では、ワインは造れません。
また逆に、滅多に無い事例として、後継者が居ないため 引退を余儀なくされた時。

この場合は、一気に畑や醸造所、貯蔵所を手離しますから、これを期に新しくドメーヌを興す事も可能になります。

お金ではなく、素晴らしいワインを造ってくれる造り手に譲りたいと仰る方が多いので、健全に移行が進みますし、買う方は買えるだけオファー出来る。

《ジャッキー・トルショ》から
《ダヴィッド・デュバン》へのほとんどの畑。

(最初にパトロンが畑を買い、才能あるヴィニュロンにワイン造りを任せ、造り手に資金が溜まったら買い取ってもらう方法もあるようです)

《マレ・モンジュ》から
《ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ》への”ロマネ・サン・ヴィヴァン”。o0400030012491636727(DRC社 ”ロマネ・サン・ヴィヴァン”の、この部分は今現在 植え替え中の区画です)

数え上げたらキリが有りませんが、なんといっても ワイン愛好家から喜びを持って歓迎されたのが、
《シャルル・ノエラ》を買い取ったマダム ラルー・ビーズ・ルロワ。

1988年 《ドメーヌ ルロワ》はここからはじまりました。

更に驚くべき事に・・・。

その同じ年に《ドメーヌ ルロワ》が”シャンボール・ミュジニー村”の”グラン・クリュ”を購入したというのです。

まず考えたのが、「2つあるうちの どちらの畑?」と「誰が手離したのか?」です。

次の瞬間答えは出ていたのですが、
「まさか”ミュジニー グラン・クリュ”が売りに出る」などということが有り得るわけが無いと思っていましたので・・・一瞬我が耳を疑いました。

手離したのは、シャンボール・ミュジニー村の当時村長、
《ドメーヌ ダニエル・モワンヌ・ユドロ》
当主 ダニエル・モワンヌ・ユドロ氏。o04000300124916698101988年から2009年までに

“シャンボール村”の

アムルーズ プルミエ・クリュ、

ボンヌマール グラン・クリュ、

ミュジニー グラン・クリュ

を含む全ての畑を売却したのです。

その様な経緯でも優良区画のそれは、天文学的数字だったらしいので、ブルゴーニュでもとりわけワイン造りに定評のある名家の方達の手に渡りました。o0400030012491636600今 愛好家の興味の先は、
“アムルーズ”と隣接している
アンドレ・ポルシュレ氏の
“ミュジニーの畑”。
新規取得ですと小さすぎてどうにもならないのかもしれませんが・・・(画像右の石垣の下がヴージョの畑)o0400030012491636605(ポルシュレ氏はこの三角形の区画から、約40本の”ミュジニー グラン・クリュ”を造っています、元ドメーヌ ルロワ醸造長、元オスピス・ド・ボーヌ栽培、醸造長の実力通りのワインなら興味があります。

元々は、ルーミエ家の畑で、アラン・ルーミエから譲り受けたそうです。)

愛好家のみならずヴィニュロンの方々からも羨望の眼差しで見られているシャンボール・ミュジニー村、
南側の”特級畑”。

《 Musigny Grand cru 》

マダム ラルー・ビーズ・ルロワはこの畑を素晴らしい言葉で言い表しています・・・

On ressent une finesse,
une grande légèreté,
mais cela ne veut pas du tout dire
maigre,
c’est seulement léger,
Comme l’air du temps.

(繊細で軽妙。
でも 痩せて細いわけではありま
せん。
ただ軽いだけ。
流れる時のように・・・)

これぞ ミュジニー。