月別アーカイブ: 2014年8月

ドメーヌ 訪問時の試飲用グラス・・・

ドメーヌ訪問時地下セラーで樽から直接試飲させていただく時 当主の持つピペットからワインが注がれるのは大抵の場合
リーデル社のラインナップでいうところの
“エルミタージュ”用グラスか
非常に似たフォルムで少し小さめの
“ロワール”用グラスです。

以前 とある一般誌の
「ワイン、シャンパーニュ特集」で
「シャンパーニュを大きなグラスで飲む」的な取材内容の紙面がありました。

取材先はなんと
コート・デ・ブランのアヴィズに居を構える ドメーヌ ジャック・セロス。

素晴らしい取材内容でしたが
当主アンセルム・セロス氏が樽試飲中
リーデルのエルミタージュ用グラスを使用しているのを見て

「やはりシャンパーニュは大きなグラスで飲むのが正しい」

のような論調になっていたのが気になりました。

ジャック・セロスに限らず シャンパーニュ地方で 樽試飲時にフルートやクープ型のグラスを使用することはないです。

何しろその時はまだシャンパーニュになっていない普通の
(と言ったら語弊がありますが・・・)
白ワインですから。

例えば ブルゴーニュでも
自身のワインをピノ・ノワール用のグラスで供するドメーヌは無いと思います。

もっと言えば試飲用に開発された
「INAOグラス」も(私の少い経験の中で ですが・・・)見たことがありません。

「グラスの強度、値段、余分なタンニンを感じさせない形状、そしてピノ・ノワールの酸を綺麗に感じさせる形状 etc ・・・メリットが多いから使用している」

とある生産者は仰ってました。

試飲用に生産者が選んだグラス・・・

これはマロラクティック発酵が終ったばかりの、
もっと言えばワインになったばかりの液体を真剣に吟味するときに最も適したと造り手が思ったグラスで、レストランで食事を楽しむ時の、また完成したワインを飲む時のグラスの選び方、味わい方とは 全く趣旨が異なりますので あまり深く考えないほうが良いようです。

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ちなみに通常 シャンパーニュ メゾンで 樽からリザーヴ用ワインを試飲させて頂くのは難しい事かと思います。

逆にと言いますか、もっと凄い体験と申しますか
デゴルジュマンを体験させてくれるメゾンは多く存在します。

(瓶口を凍らせないでデゴルジュマンするドメーヌに多いい印象です)

渡仏の際の参考になさってください。

ブルゴーニュ コート・ドールのグラン・ヴァンを飲む会 2014年8月19日・・・

8月19日 火曜日
午後18:00
ル プティ レストラン エピにて

恒例のワイン会を行います。

ラインナップは・・・

シャンパーニュ・・・

シャンパーニュ界のマダム ルロワと言われてひさしい
RM(レコルタン・マニピュラン)の重鎮。

ドメーヌ フランソワーズ・ベデル。

現行品は実質2006年のシャルドネ100%使用のヴィンテージ・シャンパーニュでありながらなぜかノン・ヴィンテージ扱いの大変珍しいシャンパーニュです。

平均樹齢40年のヴィエイユ・ヴィーニュの素晴らしい葡萄から造られる深遠なるシャンパーニュ
ドメーヌ フランソワーズ・ベデル
“オリジネル”。

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白ワイン・・・

ドメーヌ ラペ ペール・エ・フィス。

コントン・シャルルマーニュ
グラン・クリュ
2011年。

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赤ワイン・・・

モレ・サン・ドゥニ村特級畑
ドメーヌ・デュ・クロ・デ・ランブレイの実質モノポール
クロ・デ・ランブレイ
グラン・クリュ 2008年。

赤ワイン2本目・・・

シャンボール・ミュジニー村特級畑

ドメーヌ ユドロ・バイエ

ボンヌ・マール
グラン・クリュ 2009年。

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以上のラインナップです。

オードヴル、チーズ等軽食付き
御一人様会費20000円。8名から10名までの会とさせていただきます。

現在のところ参加者の殆どが御一人様での参加ですのでお気軽にお問い合わせください。

ワインにあまりお詳しくない、これからワインをのみ始めてみたい方に是非参加して頂きたいと思います。

まだ若干お席に余裕がございます、お問い合わせは下記番号まで。

03-3780-8687

担当 鈴木。

ボランジェ RD 1982年・・・

RD ・・・
Récemment Dégorgé
(レサマン・デゴルジェ)

「最近澱引きされた」の意。

ブテイユの裏エチケット上から2行目にはデゴルジュマンされた日付が記されています。

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この個体の場合ですと 1991年2月18日に澱引きしたと書かれています。

ボランジェのフラッグ・シップ
優良年にしか造られない

「グラン・ダネ」用の

ヴァン・ド・レゼルヴを使用しているのでこちらも優良年にしか瓶詰めされず1952年の初収穫から現行ヴィンテージの2002年までの間にリリースされたのは僅かに24ヴィンテージのみ。

ここでひとつ疑問・・・

最近澱引きされた。

とはどういった事でしょうか?

輸入業者の資料を紐解いてみると

「デゴルジュマンされたばかりであるため、見事なフレッシュ感があります」

と書いてあります。

リリース直後に飲むならそれも謳い文句になるでしようが 今回の様にデゴルジュマンされてから23年経って抜栓した場合に
デゴルジュマンされたばかりです。と言われても・・・

ですから資料にあるようなフレッシュ感の件はさほど重要ではありません。

最近デゴルジュマンされた ということは 逆に言うと リリース直前までワインが澱に接触していたということで、極端にいえば

「スュール・リーの状態を長く保っていた」

という意味なのですね。

リスクのある方法ですのであまりにも長い接触は避けたいところですが 上手くすればワインに複雑さを与える素晴らしい手段です。

さて試飲。

32年前に収穫された葡萄で造られたこのシャンパーニュ

色は腰が抜けるような黄金色。

完璧な熟成による芳香。

スュール・リーの恩恵による奥行きと複雑さを如実に感じるのは、樽熟成の時に新樽を決して使用せず ブルゴーニュ シャンソン社(ボランジェ社のグループ会社経営)
の使用済み樽を敢えて使用し、無用なオーク香や過剰なタンニンがワインに移らない様工夫されている事がポジティヴに作用しているからでしょう。

熟成させたシャンパーニュの懐の深さをあらためて知りました。

これだけ保存状態の良いオールドヴィンテージシャンパーニュは珍しいのではないでしょうか?

Yさん 貴重なボトルをありがとうございました。

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クリュッグ クロ・デュ・メニル 2000年・・・

先日 このブログで御知らせしたところ早速御注文頂きました。

クリュッグ クロ・デュ・メニル
ヴィンテージ2000。

御裾分け頂き(大量に)試飲させて頂きましたが、
とにかく素晴らしい。

一口飲んだだけですと そのあまりの口当たりの柔らかさで印象が薄く感じますが 温度が上がり炭酸も弱くなった頃に本来の姿を見せ始めて来ました。

白ワインとしてもかなり高い次元でまとまっていて 長い時間楽しめるシャンパーニュです。

「サロン」と
「クリュッグ クロ・デュ・メニル」だけは
白ワイン用のグラスで飲んでも
使われているメニル・スュール・オジェのシャルドネの酸がグラスに負けることはありません。

アッサンブラージュしている
ブラン・ド・ノワールや
メニルのシャルドネを使用していない
シャンパーニュは 酸が不足していると感じる場合がありますので
やはり間口の細いフルートグラスが適していると思います。

例えば2003年のドンペリニョンは白ワイン用のグラスで飲むと 何ともボヤけた印象の ともすれば価格にみあわないシャンパーニュと受け取られてしまいがちです。

とはいえ 複雑さを味わう為にピノ・ノワール用のグラスでシャンパーニュを味わうのはとても有意義な経験です。

いずれにしても 造り手の努力を台無しにしては申し訳がたちません。

グラスを選ぶときの参考になさってください。

金額的に考えても 私などはそう何度も頂けるシャンパーニュではありませんが、できればこの2000年ヴィンテージをもう1本手に入れて
10年後位に飲んでみたいです。

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コート・デ・ブランのグラン・クリュ
メニル・スュール・オジェはとてつもなくエレガントで長熟タイプの硬いシャルドネがティピシテですから 若いうちはとても難しいと言われていて一抹の不安もありましたがさにあらず。
黄金の液体は気難しさの欠片も見せずに何とも豪華な余韻で包み込んでくれたのでした。

本当に素晴らしかった。