月別アーカイブ: 2013年11月

ヴァン・ド・グット、ヴァン・ド・プレス・・・

アッサンブラージュの概念は、至るところに存在していて一筋縄では行きません。

1985年物の瓶詰めまでは、一つ一つの樽から直接ボトリングされていた
DRC 社のロマネ・コンティでしたが、
ボトル毎の品質にバラツキ
(いわゆるビンむら)を指摘されていたため、幾つかの改善策を講じました。

ひとつは、
熟成樽6樽分をステンレス・タンクにひとまとめに移しボトリングする
「樽毎誤差平均化の実施」。

極上の部分を失う事になりましたが、

オベール・ド・ヴィレーヌ氏と

ラルー・ビーズ・ルロワ女史は

平均以下の個体を無くす事を優先したのです。

元々は同じ物ですが、状態が違ったワインを配合するのですから、
これもある意味アッサンブラージュ。

話は変わりますが、

発酵後、圧力をかけず自然に流れ出る
極上の液体部分を
「ヴァン・ド・グット」
(ワインの雫)といい特別扱いする事は皆様ご存知だと思います。

しかし、この部分は少しタンニンが足りません。

次に残った果皮と果肉を圧搾しますが、それを「ヴァン・ド・プレス」と言います。

1回目に搾られた液体の多くは、
「ヴァン・ド・グット」と同じ扱いになり 同じ樽に入れられ、

2度目以降の
「ヴァン・ド・プレス」は、別の樽で仕込みます。

この「ヴァン・ド・プレス」は、風味豊かで奥行きを感じるそうですが、
タンニンが強く それだけではあまり良いワインにならないようです。

ここでアッサンブラージュ。

極上部分の
「ヴァン・ド・グット」に

タンニンと風味豊かな
「ヴァン・ド・プレス」を配合し、

バランスの良いワインに仕立ててゆきます。

造り手のセンスが問われる部分で、ワイン好きがこだわる部分でもありますね。

残りの「ヴァン・ド・プレス」は別樽で熟成され、タンニンが落ち着いた後、蒸発や樽試飲などで目減りした本樽の補充に使われます。
ちなみに最後に残った果皮、果肉の部分は乾燥させ肥料にしたり、蒸留所でマールを仕込んだりするようです。

o0405072012763895311

エピでは、マールはもちろん、様々な食後酒を御用意しています。

o0480064012763895317

ドメーヌ メオ・カミュゼ クロ・ド・ヴージョ グラン・クリュ・・・

クロ・ヴージョ、
もしくはクロ・ド・ヴージョ。

呼び方の違いは 以前ご紹介した通り。

前者が比較的新しい所有者、

後者が1889年以降に初めて分割された時にこの畑を購入、所有した
15人のネゴシアンの子孫、末裔、の場合が多い様です。

しかし驚くことに 分割されるまで、
この村の80%以上の面積を占める
クロ・ド・ヴージョのグラン・クリュ畑は約700年にわたって単独所有畑でした。

1100年代に開墾した、

シトー派修道会、

1790年5月にナポレオン・ボナパルトに没収された後、

ジャン・ホカール、

ラヴェル家、

ウヴラール家、

の順で所有権は移り変わりましたが、
モノポールは守られていました。

当時モノポールだったクロ・ド・ヴージョの広い畑から、

良い区画の葡萄
(ミュジニーに隣接している畑上部)、

そこそこの葡萄
(中央部)、

普通の葡萄
(県道974付近の下部)、

をそれぞれ収穫し、
クロ・ド・ヴージョの名に恥じない
バランスの良いワインに成るよう、
アッサンブラージュしていたそうです。

これは、極端に言うとボルドーの考え方と同じですね。

今現在は80人以上の所有者が存在していて、バランスの良い葡萄の収穫、
ワインの醸造は難しいと思いますが、
中には 全ての区画を少しずつ所有しているドメーヌなどもあり、
ワイン選び時の参考にしています。

例えば、ドメーヌ ローラン・ルミエ、

ドメーヌ ルロワ、

表題のドメーヌ メオ・カミュゼ。

などなど。

特に ドメーヌ メオ・カミュゼは
クロ・ド・ヴージョ 2番目の大地主で、
品質の安定したワインを毎年造り続けています。

o0480064012763336829
御興味あれば幸いです。

2013年ブルゴーニュ地方 葡萄収穫状況・・・

ブルゴーニュ在住の知人の情報によると、

2013年7月23日、
ポマール、
ボーヌ、
サヴィニ・レ・ボーヌ、
ペルナン・ヴェルジュレス、
コルトン、
を局地的な雹害が襲ったそうです。

シャサーニュ・モンラッシェ、
ピュリニー・モンラッシェ方面には雹による被害が全くなく、

「天候がすぐれなかったにしては高糖度の葡萄が収穫出来た」

とドメーヌの方が仰っていました。

腐敗果も少なかったとの情報もありますので、雨もさほど降らなかったのでしょう。

いずれにせよ大成功のヴァンダンジュだったようで、ワイン好きにはとても良い知らせです。

o0500037512756661069
画像は、
2013年、
収穫直前のコート・ド・ニュイ、
ピノ・ノワール・ア・ジュ・ブラン。

とても美しい風景、色合いです。
房の付き方からすると、広域ワインの畑でしょうか。

Yさん、Nさん御協力有難うございます。

ボージョレ・ヌーヴォー再考・・・

ボージョレ・ヌーヴォーについて、以前このブログにご紹介した文言がありましたので、加筆修正して 再び掲載させて頂きます。

以下 抜粋・・・

昔から日本では

「ボジョレのワインが好き」(ヌーヴォーに限らずです)

とは言えない雰囲気が 漂っていますが

パリのビストロ、レストランなどでは本当に良く見かけて それこそ水の様に皆さん口に運んでいます。
実際フランスで飲むと雰囲気も手伝ってでしょうか、いつもより美味しく感じます。
手頃ですし・・・

ところがこの”ヌーヴォー”ある矛盾を抱えています。

先ず解禁日の指定が有る事と、

ワインの性質上 ”フレッシュ感”が大切ですので 運ぶのもスピードが命と云う事。

勿論 日本には空輸で。(コストが掛かりすぎます)

しかもフランスのワイン法によりこの地域は機械による収穫が禁止されていますので葡萄は全て手摘みで行わなければならず、人件費がかさみます。

ですから空輸の件と併せて物凄いコストが掛かっているのに何故か低価格でしか販売出来ないワインなのです。

(とりわけ日本とイギリスはワインは熟成させないと・・・と仰る方が多いので新酒はなかなか高額では売れないのです)

・・・抜粋此処まで。

30年ほど前に、初めて飲ませていただいた
ボージョレ・ヌーヴォーは、ただでさえアルコールを飲み慣れない私の口には合わなかった記憶がありますが、現在の様な素晴らしい出来のワインを頂けるようになるとは 当時、思いもしませんでした。

長年にわたる 関係各位の人並みならぬ努力に感謝です!

エピ取扱い、
ドメーヌ フランク・ジュイヤールの
ヌーヴォーは抜栓後程なくして本領を発揮します。

毎年の その進化に驚きますよ。

o0405072012757703687
お試し下さい。

生産者来日にともない行われたブルゴーニュワイン試飲会・・・

参加させて頂くのも今回で3回目となる、株式会社ジェロボーム主宰による 生産者を招いての試飲会にお邪魔して参りました。

1年ぶりにお会いしたアルザスの
ヒューゲル・エ・フィス
当主エチエンヌ・ヒューゲル氏。
アルザスの伝統装束で身を包み、相変わらずのハイテンション、とても楽しくサービス精神旺盛な方です。

o0500037512756705326

今年4月にもお会いした、
ドメーヌ ティボー・リジェ・ベレール
当主ティボー・リジェ・ベレール氏。


o0500037512756661068


2011年ヴィンテージは、大成功したようです。

o0500037512756661418

コート・デュ・ローヌの
ファミーユ・ペラン
当主マーク・ペラン氏。

o0500037512756661065

アンジェリーナ・ジョリーさんと
パートナー・シップを結んで、
ロゼ・ワインを造っています。

2011年は、今試飲しても相当美味しいので、熟成が進んだ後も とても楽しみなヴィンテージです。

しかし 如何せん生産本数が少なすぎるので、入手困難必至ですね。

シャンパーニュからは、
ポル・ロジェ社のユベール・ド・ビイィ氏も来日し会場に居らっしゃいましたが、氏との話に夢中になり、写真を失念してしまいました。

毎年扱わせていただいているワイン達なので、今年も安定した品揃えが出来そうです。

生産者の皆さん、ジェロボームの皆さん、お招きありがとうございました。

ボージョレヌーヴォー解禁・・・

深夜零時をまわりましたので、晴れて11月21日、
いわゆる11月の第3木曜日。

o0405072012755771187

ボージョレ・ヌーヴォー解禁ですので、お客様に先駆けて、スタッフで頂きました!

2013年ヴィンテージは素晴らしい作柄に恵まれた様で、適度なタンニンとベリー系の香りが更なる期待を高めてくれます。

o0405072012755771201

とても綺麗に造られたワインで、美味しいです。

これは、2013年ヴィンテージのピノ・ノワールも、期待値大ですね。

本日21日のランチ・タイムは、特別にこの希少な
ドメーヌ フランク・ジュイヤールの
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー・キュヴェ・スペシァルを

お試しグラス¥500でお召し上がり頂けます。

スタッフにお申し付けください。

o0405072012755792635

 

優良生産者・・・

優良生産者とは、どのような造り手の事を指すのか。

色々な厳しい条件をクリアしている人達と言うことは想像がつきますが、少し具体的に・・・

ひとつの例として、優良生産者と普通の生産者を分けた有名なヴィンテージがあります。

1986年ヴィンテージ。

収穫日間近に雨が降り始め、当時の天気予報でも 「雨はやまずに降り続ける」とアナウンスがあったそうです。

若干葡萄の熟成度は足りなかった様ですが、背に腹は代えられません。

取り返しのつかないことになる前に 慌てて収穫を済ませた生産者が多かったのです。

方や、

「この葡萄でワインを造っても良いものは出来ない」

と考え、雨で葡萄が全滅するかもしれないリスクを甘受し、良いワインを造るためだけに 収穫をせず、葡萄に栄養を与え続けた 度胸ある賭けをした生産者も居ました。

さすがに収穫量は大幅に減少しましたが、

結果は 後者の圧勝。

降り続くはずだった雨は、翌日あがったのです。

1986年のヴィンテージ評価(チャートではなくワイン自体の評判)は決して良いものでは有りませんが、それは 圧倒的に前者の数が多かったからで、遅摘みに成功した後者の いわゆる優良生産者が造った1986年のワインは凝縮感に満ちた香りの高い、最高のワインです。

ワイン造りに関して柔軟性があり、または融通のきく造り手。
それこそが優良生産者の資質ではないでしょうか。

(農作物、ワイン造りに同じ条件の年は、ただの一度も無いのですから 杓子定規で考えるのは御法度です)

前途しましたが、それに加え 状況判断力。

今現在、世界的に著名な優良といわれている生産者は この条件を雲上の遥か高いレベルでクリアしている人達です。

o0405072012754527345

故 アンリ・ジャイエ氏が

「1986年ヴィンテージは印象に残る、思い入れのあるヴィンテージ」

と仰った理由。

お分かりいただけたかと思います。

シャンボール・ミュジニーのピエール・・・

前々回のブログ中、ある写真を載せましたが、エピのお客様は 画像の意味を皆様おわかりになった様で、いやはや何とも流石です。

o0720040512753431646


左から、

《ドメーヌ ジャック・プリウール》
ミュジニー グラン・クリュ
リューディ “ラ・コンブ・ドルヴォー” (モノポール)。

《ドメーヌ コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ》
ミュジニー グラン・クリュ
リュー・ディ “レ・プティ・ミュジニー” (モノポール)。

《ドメーヌ ジョルジュ・ルミエ》
ミュジニー グラン・クリュ
リューディ “レ・グラン・ミュジニー”。

下段、

《ドメーヌ ジョルジュ・ルミエ》
アムルーズ プルミエ・クリュ。

という位置関係です。

2013年ヴィンテージ ボージョレ・ヌーヴォー・・・

今年もエピのヌーヴォーは、去年好評だった

ドメーヌ フランク・ジュイヤール。

ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー “キュヴェ・スペシャル”

2013年ヴィンテージ。

11月21日午前零時より お楽しみ頂けます。

o0480064212753392448

(画像は2012年ヴィンテージです)

今年もフリースタイルの
ボージョレ・ヌーヴォー・パーティーを
11月26日火曜日、エピの定休日を利用して開催します。

ご興味ある方はお電話下さい。

詳細は 03(3780)8687 鈴木まで。

量販店やコンビニ物とは異次元の、ごく少量生産、手入れの行き届いた葡萄から造られた貴重なボージョレ。

お楽しみください。

ブルゴーニュワイン2011年ヴィンテージ 新着情報です・・・

今回、帳合先の御厚意で割り当て頂いた優良生産者2011年ヴィンテージは、
とにかく生産本数が異常に少なく入手困難。

ただでさえ生産量の少ない
ブルゴーニュワインが更に希少な代物になりました。

紹介させて頂きます。

まずは、

《ドメーヌ クロード・デュガ》
①ブルゴーニュ・ルージュ

o0540072012748840327

《ドメーヌ ジョルジュ・ルミエ》
①ブルゴーニュ・ルージュ

②シャンボール・ミュジニー
ヴィラージュ

③シャンボール・ミュジニー
プルミエ・クリュ “レ・クラ”

④モレ・サン・ドゥニ
プルミエ・クリュ
“クロ・ド・ラ・ブシェール”

o0540072012749091557

⑤シャンボール・ミュジニー
プルミエ・クリュ “アムルーズ”

o0405072012749091630

⑥ボンヌマール グラン・クリュ

o0405072012749091645

《ドメーヌ メオ・カミュゼ》

①クロ・ド・ヴジョ グラン・クリュ

②オート・コート・ド・ニュイ
“クロ・サン・フィリペール”

o0540072012748840344

《メゾン メオ・カミュゼ フレール・エ・スール》

①フィサン

《ドメーヌ マルキ・ダンジェルヴィル》

①ブルゴーニュ・シャルドネ

②ブルゴーニュ・アリゴテ

o0540072012748840350

《ドメーヌ フォンテーヌ・ガニャール》

①シャサーニュ モンラッシェ ・ブラン

o0405072012748996855

《ドメーヌ マンシア・ポンセ》

①ブルゴーニュ・ルージュ

②プイィ・フィッセ
“グランド・レゼルヴ”

o0540072012748840379

《ドメーヌ アンリ・グージュ》

①ブルゴーニュ・ルージュ

o0540072012748840384

以上8ドメーヌ(メゾンをひとつ含む)30本。

おそらく市場には出回らないであろうワインも何本か含まれている、ワイン好きには堪らない銘柄ではないでしょうか?

すべて正規代理店物で品質は折り紙つきです。

御興味あれば幸いです。


この素晴らしいラインナップを取り揃えられたのは、インポーター社、帳合先の御厚意以外のなにものでもなく、ただただ感謝するばかりです。
ありがとうございました!

o0720040512749091652


この画像で意味がわかってしまったら、相当なブルゴーニュ好きだと思います。

業務連絡。
関西のMさん、おわかりになったら電話下さいね。

YさんNさん御協力ありがとうございます!