月別アーカイブ: 2015年8月

フレデリック・マニャン その2・・・

マダム ラルー・ビーズ・ルロワの造るワインがフレデリック氏の目指すワインですから畑仕事に於いても自分の考えに則りながら参考にしている様です。

例えばロニャージュ。

ロニャージュをしない前提ですが
1.5巻き以上は手積みで除去するそうです。

ストレスフリー的考え方で見れば
初めに必ずしなければならない
冬の剪定以外で葡萄樹を切らない方が良いはずですが、

それでは梢、枝、葉により風通しが悪くなりカビ発生の原因になったりします。

マダム ルロワのドメーヌも実は
2巻きする前にカットしているようです。

一元的ではないのですね。
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ヴィエイユ・ウィーニュに拘り全房で仕込まれるフレデリック氏の葡萄は

最初1回のルモンタージュ、

最大で7回までの
脚によるピジャージュを経て
果汁はグラビティーでゆっくりと果梗と分けられ
5年から10年使用の
フランソワ・フレール社製オーク樽で
14ヶ月から15ヶ月エルヴァージュされた後
ブテイユに移されます。

2000年頃までのパワフルなワインとは違う
ブルゴーニュらしい
余韻が長く軽やかで繊細なワイン・・・

今やネゴシアンとドメーヌの逆転現象に歯止めが掛からないブルゴーニュに於て
古木の畑だけを選んでワインが造れるネゴシアンに・・・というかフレデリック・マニャン社の様な運営スタイルに若干のアドバンテージがあることは否めないですね。

我々愛好家はブルゴーニュの優れたワインを安定提供していただければありがたい限りです。

フレデリック・マニャン氏来日に伴い行われたテイスティングセミナー・・・

1993年より父親のドメーヌ、
ドメーヌ ミッシェル・マニャン当主。

1995年に自身の名を冠したネゴシアン
フレデリック・マニャン当主でもある

フレデリック・マニャン氏来日に伴う
2013年ヴィンテージ、
テイスティングセミナーにお邪魔して参りました。

ネゴシアンとはいえ
フレデリック氏は近年葡萄畑耕作会社を興していて
借地畑において
ゼロから葡萄造りに携わっているので

造られるワインは実質ドメーヌ物となんらかわりなく
フェルマージュを名乗らないのは何故なのか?といった感じです。

理由は後程。

耕作するに値する葡萄畑は
ヴィエイユ・ヴィーニュに拘っている
フレデリック氏ですから
50年から60年の古木が植えられている畑に限られ、
そのなかでも岩盤、粘土、鉄分を基本に
粘土石炭質、石炭岩、泥灰岩といった
多岐にわたる土壌は
自社畑に固執していたらなかなか揃わないラインナップです。

私が渡仏、ブルゴーニュ訪問の際
自転車で走るフレデリック氏に
早朝2度ほどお会いしましたが
なるほど
最高の畑を探していたのですね。

樹齢に達するまで育てなくても良いし
葡萄の出来が良くなければ買わなくても良い・・・
ネゴシアンとしてのアドバンテージはここにありますね。

樽にも相当拘りがあるフレデリック氏。

使用樽はフランソワ・フレール社100%。

しかし新樽は極力使用を避け
5年から10年使用した樽を使います。

ストレートなワインを楽しんで貰うための措置で
今のブルゴーニュワイン造り手の主流です。

フレデリック氏は樽香を厚化粧といっておられました。
勿論良い意味ではありません。

2016年からは新樽を一切購入せずにエルヴァージュするそうです。

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ドメーヌ フランソワ・ラヴノー シャブリ プルミエ・クリュ ヴァイヨン・・・

日本で一番最初に有名になったブルゴーニュのワイン産地。

シャブリ。

酸が強く複雑味に欠けるイメージをお持ちの方が多いいようです。

ブラインドテイスティングをする場合など

樽発酵、ステンレス発酵、マロラクティック発酵の有無などで出来上がるシャブリ地方のワインは全く違うものになりますので注意が必要です。

中にはイメージそのままのシャブリも存在していますが、
ドメーヌ フランソワ・ラヴノークラスの
造り手によるシャブリはコート・ド・ボーヌのシャルドネを彷彿とさせるというか、それが並の生産者の作なら凌駕してしまう位に奥行きと深さがあります。

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お試しください。

シャブリ地方を見直すこと請け合いです。

ドメーヌ コント・ラフォン ムルソー プルミエ・クリュ ジュヌヴリエール・・・

バターの様な味わい、ナッツのコク、芳ばしさの有無でムルソーとそれ以外のブルゴーニュ シャルドネをブラインドで仕訳すると  7割近く正解します。
グラン・クリュを持たないムルソー村ですが、かなり特徴的なワインを造り出す産地ですので
モンラッシェ系、
コルトン・シャルルマーニュ等と並んで
愛飲家の方も多いです。

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上記、どの産地のワインもフルーティーで蜜を感じさせる味、香りは やはりこのクラスのシャルドネにしか醸し出せない特徴
魅力なのだと思います。

ドメーヌ ルー・ペール・エ・フィスなどは この畑から数キロしか離れていませんから 収穫後の葡萄は傷みも少なく運び込む事が出来ますし、冷蔵車も数台保持しているとの事ですので同社が造り出すワインの品質が高いのも納得です。

Yさん 素晴らしいワインを抜栓して頂きありがとうございました。

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コルトン・シャルルマーニュ グラン・クリュ・・・

現在ブルゴーニュの著名ドメーヌで新樽率の高さを謳い文句にしているところは在りませんけれど
ドメーヌ ルー・ペール・エ・フィスは
かつて新樽率という言葉が流行った時でさえその比率を上げよとはしませんでした。

「飲み疲れしないワイン」

ブルゴーニュワインを語る時に思い出される言葉のひとつですが、
昔ながらの造りを流行りに流されず長く続けてきたからこそ 今現在クラッシックブルゴーニュの一端を担う造り手として認知されているのだと思います。

さてコルトン・シャルルマーニュとはどういったワインでしょう。

とても複雑なアペラシオン。

簡単に言うと

アロース・コルトン、
ペルナン・ヴェルジュレス、
ラドワ・セリニの3村にまたがる丘に
ピノ・ノワールを植えれば

コルトン グラン・クリュ。

シャルドネを植えれば

コルトン・シャルルマーニュ
グラン・クリュ。

少し乱暴すぎましたか・・・ちなみに

シャルルマーニュというアペラシオンは使われなくなりました。

エチケットは アペラシオン名の下に

“同じ大きさの文字”で

「Grand cru」


表記しなければならないことになっていますが あまり守られていないようです。
例えば下の画像 赤のグラン・クリュ
ドメーヌ ルー・ペール・エ・フィスの
コルトンですが「Grand cru」の文字が
小さいです。

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コルトン・シャルルマーニュのティピシテは エレガントな酸味、凝縮感ある味わい、長い余韻、フィネス。

新鮮なフルーツ、焼きリンゴ、蜜を思わせる後味など 多岐にわたりますが

あまりにも広大な土地から造られている為 実は曖昧です。

南西むきの斜面で多く栽培されているコルトン・シャルルマーニュのシャルドネは
若いときは淡い金色で縁の部分に緑色がみてとれます。

熟成が進むと琥珀色を帯びてくるのはブルゴーニュの白ワインに共通した特徴です。

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ドメーヌ ルー・ペール・エ・フィス・・・

ワイン会、白ワインは
コート・ド・ボーヌ サントーバンに居を構える
ドメーヌ ルー・ペール・エ・フィス
コルトン・シャルルマーニュ
グラン・クリュ 2012年。

2012年といえば ここ最近良くお会いする
セバスチャン・ルー氏と
マチュー・ルー氏兄弟がドメーヌを継いだファーストヴィンテージ。

高騰続くブルゴーニュワイン。

コート・ド・ニュイの著名生産者のワインが現在手の出せないところまで上がってしまった今
ニュイ・サン・ジョルジュより南の
ドメーヌ、ネゴシアン開拓に力を注いでいる輸入会社は実際のところ多いです。

若い生産者はモチベーションに溢れ、新しい技術、栽培方法など情報収集にも余念がありませんから

深くない経験値でも

かなり高いクオリティーのワインを造り出すことに成功しています。

リーズナブルな価格設定は、知名度がないからという理由が主だった所ですので 正に今飲むべきブルゴーニュワインとはこの事ではないでしょうか。

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次回ブログに続きます・・・

ボンヌ・マール グラン・クリュ 比較試飲・・・

先日の定休日を利用してワイン会を行いましたので御報告させていてだきます。

ラインナップは

シャンパーニュ
ペリエ・ジュエ ベル・エポック
2007年。

白ワイン
ドメーヌ ルー・ペール・エ・フィス

コルトン・シャルルマーニュ
グラン・クリュ 2011年。

赤ワイン
ドメーヌ エルヴェ・ルーミエ
ボンヌ・マール グラン・クリュ
2011年。

赤ワインもう1本
ドメーヌ ユドロ・バイエ
ボンヌ・マール グラン・クリュ
2012年。

参加者からの差し入れワイン

ドメーヌ ジャイエ・ジル
オート・コート・ド・ニュイ
ヴィラージュ 2000年。

以上の面々です。

飲み比べといっても優劣を付けるためのものではありませんから 皆さん気軽に造り手と畑の位置の違い(同じクリマ、異なるリューディー)を楽しんでおられました。

シャンパーニュ地方の2007年は
温暖な冬、
暖かい春という気候に恵まれた年だったそうです。

以前お会いした最高醸造責任者、
エルヴェ・デシャン氏いわく

「夏を思わせる暖かい春がブドウの開花を早め、初夏は降雨により低温だったものの
太陽に恵まれた夏がブドウの成熟を助けたました。
しかしシャンパーニュにとって一番大切なアシディテ(酸)の不足が懸念された年でもありました。」

と仰っていました。

異例な程 例年よりも早い収穫だったのは
葡萄の減酸を避けたかった為でしょう。

さて試飲。

エレガントな爽やかさの為の
クラマン村とアヴィーズ村のシャルドネ。

芳醇で繊細な複雑さを添える
モンターニュ・ド・ランス地域
珠玉のピノ・ノワール、

滑らかさを演出するディジー村の
ピノ・ムニエをアッサンブラージュ。

出荷まで6年の熟成。

一言で言うと バランスの妙。

シャルル・マルタン・エミール・ガレ作
アネモネの装飾ブテイユのイメージそのまま。

そんなシャンパーニュ。

充分な酸と蜜を思わせる香りは収穫のタイミングがベストだったことをおしえてくれます。

以下ブログに続きます・・・