ラインナップに若干の変更はありましたが(更に楽しみなワインになりました)ほぼ予定通りにワイン会を行う事が出来ました。
エピスタッフや参加者の持ち寄りワインを含めるととてつもない本数になりました、他の皆様は幸運でしたね。
先ずはシャンパーニュ・・・
最近口にする機会に恵まれている
レコルタンマニピュランの間違いなく
トップ5に入るであろう
アンセルム・セロス氏が造るスタンダードキュヴェ “イニシャル”。
2012年11月30日にデゴルジュマンされたと裏エチケットに記入されています。
澱と長く接触しているとワインに複雑な香りを与え高級感漂う至高のシャンパーニュになると言われています。
その他の恩恵としてスュールリーの状態にあるワインは フレッシュ感が保たれているという事もあるので 逆に澱引きされたシャンパーニュはなるべく早く飲んで欲しいとの旨 生産者のホームページ等に書かれているのを散見します。
澱から分離されたシャンパーニュは、ですからリリース後 早めに飲みたくなるのが心情ですが
当主 アンセルム・セロス氏曰く
「私のワインはデゴルジュマン後(つまりドザージュした糖分が馴染むまで)約2年は待っていて欲しい」
との事なので 今般ベストのタイミングだったと思います。
シャンパーニュの裏エチケットに
デゴルジュマンの日付を書き記す生産者が増えてきましたが 主だった理由は・・・
「市場に出回っている個体の瓶内熟成誤差をわかりやすく知ってもらう為です」
わかりやすく言うと
ヴィンテージが記されていないノンヴィンテージのシャンパーニュは どのブテイユが最新のもので、どのブテイユが既にリリースされていた物なのかはわかりません。
(実は輸入業者はわかるのですが我々一般消費者は知る由もないのです)
同一年に収穫した葡萄以外の
ヴァン・ド・レゼルヴを
アッサンブラージュすると
ヴィンテージ表記が法律的に出来なくなりますから ひとつの策として裏エチケットにデゴルジュマンの日付を記入し いつ頃リリースされたシャンパーニュであるかの答えとしたのです。
(殆どのグランメゾンのトップキュヴェでもデゴルジュマン後2年から3年でリリースしていますから自ずとリリース時期がわかるという理屈です)
また例外もあり ボランジェ社の
”RD“
”レサマンデゴルジェ“
など理想的な8年から10年後リリースなどという途方もないラインナップも存在します。
こちらはそもそも
ヴィンテージ・シャンパーニュなので話が少し違いますが・・・
さて試飲・・・
香ばしいビスケットの様な香りのあとフルーツの余韻。
決め細やかな泡が酸を上手くつつみ込み、骨格を感じながらも喉の奥に滑らかに流れていく様はまさにシルク。
後味に変わっても新鮮さを感じられるのは澱に触れていた期間が短くなかったことを物語っています。
近々でジャック・セロスの
”イニシャル“を2本ほど試飲しましたが
思い返してみても「2012年11月30日」のロットは特に大当りだったようで 私の試飲した同シャンパーニュ史上最良の物だったと思います。
デゴルジュマンの日付から飲み時を考えるのも興味深い事だと思います。
次回ブログに続きます・・・