日別アーカイブ: 2014年4月7日

コート・ドールのグラン・ヴァンを飲む会 ご報告その5・・・

ドメーヌ カミュ ぺール・エ・フィス

シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュ 1998年。

当主 ユベール・カミュ氏。

「昔からなにも変えずに同じようにワインを造っている。変わらないし 変える必要もない。」

どのワイン誌のインタヴューでもそう仰っています。

ドメーヌ カミュ ぺール・エ・フィスのワインは当店でも年間を通してオンリストしているのですが それはバックヴィンテージも豊富にリリースされますし、安定感も備えているからにほかなりません。

私がまだ若かりし頃 シャンベルタン グラン・クリュを初めて自分で買った(買えた)のも
リーズナブルにリリースしてくれているこのドメーヌのおかげなので今でも感謝の念は忘れていません。

ユベール・カミュ氏の温厚で実直な人柄がワインに表れているからでしょうか
一度オーダーされたお客様のリピート率も高くワイン愛好家なら誰でも一度は飲んだ事があるドメーヌだと思います。

抜栓後の変化の早さだけがネックとの声もありますが だからこそ短期決戦のワイン会、大人数での食事会、ファーストインプレッションが大切なプロ向けの試飲会で好印象なのだと思います。

今回の個体は状態がとても良く 超一流生産者のワインに挟まれても存在感が薄れる事はありませんでした。

飲むといつでも懐かしい気持ちになるワイン。

本日も2000年ヴィンテージのボトルを2本ご予約頂いております。

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次回ブログに続きます。

コート・ドールのグラン・ヴァンを飲む会 ご報告その4・・・

ドメーヌ シモン・ビーズ

ラトリシエール・シャンベルタン
グラン・クリュ 2011年。

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言わずと知れた故パトリック・ビーズ氏が造るトップキュヴェ。

それにしても2011年ヴィンテージは
フレキシブルな対応を見せてくれます。

難しさは一切垣間見せず すぐ飲んで美味しい。

この懐の深さには驚きました。

ジュヴレイ・シャンベルタン村のワインがお好きな参加者の方も絶賛してくださり

2011年ヴィンテージの恩恵のみならず早飲みの荒業にも動じないグラン・クリュを造られた
パトリック・ビーズ氏の力量をあらためて実感しました。

後日 御客様からお裾分け頂きました
ドメーヌ シモン・ビーズの
コルトン・シャルルマー二ュ 2011年も正に絶品。

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高価なワインを御馳走様でした。

コート・ドールのグラン・ヴァンを飲む会 ご報告その3・・・

ブラインド・ワイン2本目。
フェヴレイ
シャンベルタン クロ・ド・ベーズ
グラン・クリュ 2004年。

もはや2004年ヴィンテージをオフ・ヴィンテージだと思っている愛飲家は居ないと思います。

大手ネゴシアンとして有名なフェヴレイがドメーヌ的に造っている(葡萄畑として最も古い歴史を持つ)特級畑、クロ・ド・ベーズの10年熟成物。

このワインを一つのヒントだけで当てていきます。

先ずは色、香り、味で正解に近づいてみます。

特徴的なタンニン、酸の残り方力強いストラクチャー。

一口味わってジュヴレイ・シャンベルタン村のワインである事は想像がつきました。

「正解」。

村を当てたので次にヒントを一つ頂きます。

「大手ネゴシアン」。

ほほう。

となるとわざわさ村名やプルミエ・クリュは持ってこないでしょう。

今回もグラン・クリュのはず。

事前のワインリストで今ワイン会には

シャルム・シャンベルタン
ラトリシエール・シャンベルタン

が出されることを出題者は知っていますのでここは敢えてそれら

シャルム・シャンベルタン
(及びマゾワイエール・シャンベルタン)
ラトリシエール・シャンベルタン

を候補から外します。

残り6つの特級畑の中から考えますが その前にある程度大手ネゴシアンの特定を。

ジュヴレイ・シャンベルタン村に畑を所有している大手ネゴシアンは自分が
わかっているだけで5社。

そのなかでもグラン・クリュに限定すれば4社。

ルイ・ラトゥール。

ルイ・ジャド。

フェヴレイ。

ジョセフ・ドゥルーアン。

ルイ・ジャド社なら

クレール・ダユから買収した特級畑

シャンベルタン・グラン・クリュ

シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ。

ルイ・ラトゥール社なら

シャンベルタン・グラン・クリュ。

ジョセフ・ドゥルーアンならばグリヨットシャンベルタン グラン・クリュ。

最後は
所有畑の80%が自社畑ですので今や”ドメーヌ”のそれなのですが、ジュヴレイ・シャンベルタン村に多く畑を所有している”ネゴシアン”として有名なフェヴレイ。

この造り手なら

マジ・シャンベルタン。

シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ。

シャルム・シャンベルタン。

ラトリシエール・シャンベルタン。

前途の理由でシャルム・シャンベルタンとラトリシエール・シャンベルタンは候補から除きます。
ドゥルーアンのグリヨットはあまりにも高価ですし少量生産の為 恐らく探しても見つからないでしょう。

残るはシャンベルタン、マジ・シャンベルタン、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ。

3社のラインナップを鑑みると
答えはその3つの中にあるようです。

ブラインド・テイスティングの場合グラン・クリュに的が絞れたのなら実は余り難しく考えることはありません。

例えばジュヴレイ・シャンベルタン村には9つのグラン・クリュ畑がありますがその畑が持つティピシテつまり典型的個性を考え(思い出し)試飲しているワインと照らし合わせていけば良いのです。

とはいえマジ・シャンベルタンと
シャンベルタン・クロ・ド・ベーズの
ティピシテは非常に近いので異差を感じとるのは難しく困難ですけど・・・

柔らかなタンニン、
しっかりとしたストラクチャー、
初めは取っつきにくいのにのみ進めていく程にエレガントに付き合いやすくなっていく
マジ・シャンベルタン グラン・クリュ。

それにミュジニー グラン・クリュの様なシルクの繊細さと 捉えられない雲のような複雑さが加わるとシャンベルタン・クロ・ド・ベーズ。

一方 コンブ・グリザールの影響で冷涼な風が流れるシャンベルタン・グラン・クリュは 1本背筋に酸が通っていてふくよか。
全ての要素が一方向に向かっている感じなのがシャンベルタン・グラン・クリュのティピシテ。

今回のブラインド・ワインにはシャープな酸は余り感じませんでしたので

(ワインのヴィンテージ、そして試飲時期で全ての要素は変わりますが そこで考え込むと先に進めないので深くは考えずファーストインプレッションで進んで行きます)

シャンベルタン・グラン・クリュは候補から外しました。残りは2つ、
マジ・シャンベルタンかシャンベルタン・クロ・ド・ベーズ。

この時点でルイ・ラトゥール社は消えました。

ストレートに考えて 初参加のメンバーが多かった今回、ブルゴーニュの特級畑トップ4位くらいまでを持ってくると思ってましたし、このワイン 尋常ならざる滑らかさを感じましたし、逆にそれほど強さを感じるワインでは無かったので・・・この際マジ・シャンベルタンは削除。

経験上ルイ・ジャド社をブラインドに持ってくる事は考えにくいですから自ずと答えは

「フェヴレイ シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ・グラン・クリュ 色からしてヴィンテージは2000年代前半、出題者の懐具合からして2003年でしょう」

果たして。o0405072012901001832


・・・ヴィンテージは外しましたが
マリー・アントワネットにも献上された 由緒あるシャンパーニュ パイパー・エドシックを美味しくいただくことが出来ました。

次回ブログに続きます。