日別アーカイブ: 2014年8月4日

ボランジェ RD 1982年・・・

RD ・・・
Récemment Dégorgé
(レサマン・デゴルジェ)

「最近澱引きされた」の意。

ブテイユの裏エチケット上から2行目にはデゴルジュマンされた日付が記されています。

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この個体の場合ですと 1991年2月18日に澱引きしたと書かれています。

ボランジェのフラッグ・シップ
優良年にしか造られない

「グラン・ダネ」用の

ヴァン・ド・レゼルヴを使用しているのでこちらも優良年にしか瓶詰めされず1952年の初収穫から現行ヴィンテージの2002年までの間にリリースされたのは僅かに24ヴィンテージのみ。

ここでひとつ疑問・・・

最近澱引きされた。

とはどういった事でしょうか?

輸入業者の資料を紐解いてみると

「デゴルジュマンされたばかりであるため、見事なフレッシュ感があります」

と書いてあります。

リリース直後に飲むならそれも謳い文句になるでしようが 今回の様にデゴルジュマンされてから23年経って抜栓した場合に
デゴルジュマンされたばかりです。と言われても・・・

ですから資料にあるようなフレッシュ感の件はさほど重要ではありません。

最近デゴルジュマンされた ということは 逆に言うと リリース直前までワインが澱に接触していたということで、極端にいえば

「スュール・リーの状態を長く保っていた」

という意味なのですね。

リスクのある方法ですのであまりにも長い接触は避けたいところですが 上手くすればワインに複雑さを与える素晴らしい手段です。

さて試飲。

32年前に収穫された葡萄で造られたこのシャンパーニュ

色は腰が抜けるような黄金色。

完璧な熟成による芳香。

スュール・リーの恩恵による奥行きと複雑さを如実に感じるのは、樽熟成の時に新樽を決して使用せず ブルゴーニュ シャンソン社(ボランジェ社のグループ会社経営)
の使用済み樽を敢えて使用し、無用なオーク香や過剰なタンニンがワインに移らない様工夫されている事がポジティヴに作用しているからでしょう。

熟成させたシャンパーニュの懐の深さをあらためて知りました。

これだけ保存状態の良いオールドヴィンテージシャンパーニュは珍しいのではないでしょうか?

Yさん 貴重なボトルをありがとうございました。

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クリュッグ クロ・デュ・メニル 2000年・・・

先日 このブログで御知らせしたところ早速御注文頂きました。

クリュッグ クロ・デュ・メニル
ヴィンテージ2000。

御裾分け頂き(大量に)試飲させて頂きましたが、
とにかく素晴らしい。

一口飲んだだけですと そのあまりの口当たりの柔らかさで印象が薄く感じますが 温度が上がり炭酸も弱くなった頃に本来の姿を見せ始めて来ました。

白ワインとしてもかなり高い次元でまとまっていて 長い時間楽しめるシャンパーニュです。

「サロン」と
「クリュッグ クロ・デュ・メニル」だけは
白ワイン用のグラスで飲んでも
使われているメニル・スュール・オジェのシャルドネの酸がグラスに負けることはありません。

アッサンブラージュしている
ブラン・ド・ノワールや
メニルのシャルドネを使用していない
シャンパーニュは 酸が不足していると感じる場合がありますので
やはり間口の細いフルートグラスが適していると思います。

例えば2003年のドンペリニョンは白ワイン用のグラスで飲むと 何ともボヤけた印象の ともすれば価格にみあわないシャンパーニュと受け取られてしまいがちです。

とはいえ 複雑さを味わう為にピノ・ノワール用のグラスでシャンパーニュを味わうのはとても有意義な経験です。

いずれにしても 造り手の努力を台無しにしては申し訳がたちません。

グラスを選ぶときの参考になさってください。

金額的に考えても 私などはそう何度も頂けるシャンパーニュではありませんが、できればこの2000年ヴィンテージをもう1本手に入れて
10年後位に飲んでみたいです。

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コート・デ・ブランのグラン・クリュ
メニル・スュール・オジェはとてつもなくエレガントで長熟タイプの硬いシャルドネがティピシテですから 若いうちはとても難しいと言われていて一抹の不安もありましたがさにあらず。
黄金の液体は気難しさの欠片も見せずに何とも豪華な余韻で包み込んでくれたのでした。

本当に素晴らしかった。