月別アーカイブ: 2013年12月

モレ・サン・ドゥニ村のグラン・クリュ・・・

以前このブログで、

(以下抜粋・・・)

ティボー・リジェ・ベレール氏との
テイスティング・セミナー中

氏に
「モレ・サン・ドゥニ村には幾つグラン・クリュがあったか?」
と最前列に陣取っていた私に質問がありましたので

「5つ」と答えると、

「えっ?4つだよね?」と仰ったので

「いやいや、〈ボンヌ・マール〉は
モレ・サン・ドゥニ側にも1.52ヘクタールあるから
〈クロ・ド・ラ・ロッシュ〉
〈クロ・デ・ランブレイ〉
〈クロ・サンジャック〉
〈クロ・ド・タール〉
とあわせて5つですね」と答えたら

「あっ、そうなんだ」と仰ってました。

生産者にはどうでも良い事の様です。

〈フォージュレイ・ド・ボークレール〉が〈ブリューノ・クレール〉からの

フェルマージュでワインを造っていますが、
その区画がまるっきり
モレ・サン・ドゥニ側の
《ボンヌ・マール》で、
ブリューノ・クレールはモレ側の
《ボンヌ・マール》の9割を所有していることになります。

(・・・抜粋ここまで)

と書きましたが最近の調べで色々とわかった事がありましたので追記させて頂きます。

今現在は、大手グラン・メゾンの
ルイ・ジャド社と
ブリューノ・クレール、
フォージュレイ・ド・ボークレールが
モレ・サン・ドゥニ側のボンヌ・マールを所有しているそうです。

大手ネゴシアンの
モメサン社が以前から所有している
モレ・サン・ドゥニ側の
ボンヌ・マール 0.278ヘクタールの区画は、1965年に隣接している同社所有の
クロ・ド・タールに編入されていますので、現在の1.52ヘクタールには 数えられていません。

(モメサン社はモレ・サン・ドゥニ村の
グラン・クリュ、クロ・ド・タールを
モノポールで所有していることでも有名ですね)

前記のブリューノ・クレールは元々の持ち主、クレール・ダユの一族で、相続の際、その殆どを手放しましたが今でも0.41ヘクタールのボンヌ・マール区画を所有しているそうです。

マダム ルロワはこの畑について

「ボンヌ・マールは優しい母のイメージ」

とあるインタヴューで仰っていましたが、
この区画から造られるボンヌ・マールは、シャンボール側のボンヌ・マールと比較すると とても硬い印象です。

しかし、同じ村の北側にある
グラン・クリュの中のグラン・クリュ、
クロ・ド・ラ・ロッシュの厳しさに比べれば随分と柔らかくその名の響き通りのワインだとも思います。

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また、

「クロ・ド・ラ・ロッシュとはどの様なワインですか?」

の問いに、

マダム ルロワは決まってこう答えるそうです。

「Roche」(岩)。

ドメーヌ ペロ・ミノ・・・

ヴァン・ド・グッドと
ヴァン・ド・プレスのお話を以前ご紹介しましたが そのなかで 上記2つの状態の液体をアッサンブラージュして ベストのワインを模索する と書きました。

勿論 色々な考えの生産者の方達がいらっしゃって、アッサンブラージュしないヴィニュロンも何人か知っています。

中でも有名なのが、昨年渡仏の際 お邪魔した生産者ドメーヌ ペロ・ミノ。

当主クリストフ ペロ・ミノ氏は、試飲中の私との会話のなかで

「1ヘクタール辺りの収量を25ヘクトリットルから30ヘクトリットルまでに
コントロールすれば、ワインの凝縮感は自然に得られる」

と仰っていて実際にドメーヌ ペロ・ミノに於てテロワールを表現したいキュヴェについては、ヴァン・ド・グッド、つまり自然に流れ出た極上部分の液体しかワインに使用していないそうです。

80年代後半からの同ドメーヌの飛躍的な進化は目を見張るものがありましたが理由のひとつがわかった気がしました。

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お試しください。