日別アーカイブ: 2013年10月6日

馬による耕作・・・

トラクターが無い頃は、畑を耕すのは、人力か馬耕作が当たり前でした。

機械が進化し、70年代80年代90年代は普通にトラクターが活躍するようになりましたが、今現在 再び馬で畑を耕しているドメーヌが増え始めているようです。

とてもコストが掛かる方法ですので 資金面で余裕の有るドメーヌしか実現できないのが現実です。

コマーシャルの為だけにおこなっていたドメーヌもあったそうですが、理由はともかく 畑のためには少なからず良かったのではないでしょうか。

馬を使うメリットは3つあると言われていて、ひとつは

トラクターよりも軽量なので
「畑の土を踏み固めない事」なのですが、

軽量といっても 実は大して重さは変わりません。

ただ 馬ですと、四点で踏むだけなので トラクターの様に
畑の端から端まで連続して踏み固めることがなく、
傾斜面でも横転の心配が少なく、
土に空気を取り込み、
環境にも優しい。

デメリットは馬の管理、
管理する為の人件費、
馬を教育するまでの期間が必要なこと。

でしょうか。

馬耕作専門のエリック・マルタン氏が興した会社もありますが、応対しなけばならないドメーヌの数が増えて 順番待ちをしなくてはならない昨今、ある程度 資金力に余裕の有るドメーヌは自己所有していますね。

ドメーヌ アルローの
シプリアン・アルロー氏、

ドメーヌ デュ・コント・リジェ・ベレールの
ルイ・ミッシェル・リジェ・ベレール氏、

ドメーヌ ド・シャソルネーの
フレデリック・コサール氏・・・

多くの方々が耕作のために馬を飼っています。

そんななか さらに資金力が豊富な
ドメーヌ。

たとえば DRC 社。

ここは また桁違い。
なんと軽量で、環境に配慮した
トラクターを開発、造らせました。

とはいえ
ロマネ・コンティと
モンラッシェだけは、
ミッキーが耕します。
きっと何年か後、
「やはりDRCは先見の明があったね」
といわれるのでしょうね、1977年 選果台を導入した時のように。

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ワイン愛好家として こういった興味深い話、たとえば 馬での耕作の他にも リュット・レゾネか
ビオロジーか
ビオ・デナミなのか

除梗発酵なのか
全房(全梗)発酵なのか等ありますが、

しかしそれらの話題、
もし ”生産者が優良” なら、
造り手サイドから話されることはほとんどありません。

質問すれば勿論答えてくれますが、それだけです。

全ては試行錯誤中の事ですし、
キュヴェ、
畑、
作柄、
つまり年によって変えなければならないことなので、一概には説明出来ないのも 生産者から話が無い要因のひとつだと思いますが、

“当たり前の事はわざわざ言わない”

が正解だと私は思っています。

私ですら、野菜が 有機栽培であるとか、ワインがビオ・デナミだとかオーガニックであるとか 取り立てて言いません・・・

既に当たり前の事ですから・・・

さらに 収穫した葡萄をドメーヌまで運ぶときに、保冷車を使用し 運搬中の劣化を防いでいるドメーヌも増えてきています。

2003年の暑かった夏には保冷車の恩恵もあり
ドメーヌ シャソルネー、
デュガ・ピ などは他のドメーヌに相当差をつけていました。

ワインを選ぶときの判断材料のひとつとして知っておいて損はありません。

ブルゴーニュワインがここ10年 飛躍的に進化した理由がわかりますね。