ワイン会御報告の前に・・・
一部を除くボルドー、極一部の例外的なメゾン、キュヴェを除くシャンパーニュ地方では さまざまな種類の葡萄をアッサンブラージュしてワイン及びヴァン・ド・レゼルヴを造るのが主流です。
ひとつの品種だけですと栽培中のリスクが分散出来ずに自然災害、病害などにより全滅の恐れがあるので、往々にして大規模メーカーは単一葡萄品種での栽培、醸造をなかなか行いません。
日本の国技である相撲の力士が一度に全員同じ飛行機に搭乗してはいけない事と似ていますね。
ボルドー地方では
いちばん収穫が早いメルロー種と
主力品種のカベルネ・ソーヴィニョンとの
収穫日の誤差は1週間から2週間で
どちらかの葡萄が収穫に失敗してもある程度の数量 ワインを造る事が可能になります。
そこにそもそもカベルネ・ソーヴィニョンの原種といわれている病害に強い
カベルネ・フラン(シャンパーニュ地方ではピノ・ムニエがその役目を担っています)を
水増し的にアッサンブラージュしていけば生産本数が壊滅的に少なくなることは無いでしょう。
(毎年安定して出荷出来る所以です)
蛇足ですが、ボルドーワインの葡萄品種割合を聞かれたときに即座に答えられない場合が多い理由がここにあります、それこそ毎年配分が違いますから。
(主要品種とそれらのおおよその割合を御答えするに留まっております)
配合品種の不安定さに加え、最近の醸造技術の向上や新しい栽培方法の確立などで 世界中のワインが単一化されてきている今 何のヒントもないブラインドテイスティング等で全てを正解するのはことさら難しい事になりました。
冒頭 リスク回避の為に複数品種を栽培すると書きました。
フィロキセラ以降は その通りなのですが結果的にそれらの葡萄品種同士がお互いの短所を補い、長所を助長している現在の状況を鑑みれば この措置 大成功だったようです。
リスクを侵してまでセパージュの個性を表現したいと造り手に思わせる葡萄品種。
有名どころでは・・・
メルロー、
シラー、
ピノ・ノワール、
シャルドネ。
これらの単一品種だけで造られたフランスワインは往々にして高価ですが その理由・・・
おわかりいただけたかと思います。
ですから 我々ワイン好きは
例えばシャンパーニュ生産者の
生産ラインナップの中に
ブラン・ド・ブランがあると
何を差し置いても飲みたくなってしまうものですし、
ワインリストにブルゴーニュワインがあれば頼んでしまうのです。