日別アーカイブ: 2014年5月11日

ちびたさんのワイン会 その3・・・

赤ワイン2本目は・・・

ドメーヌ ジャン・エ・ジャン・ルイ・トラペ。

シャペル・シャンベルタン
グラン・クリュ 2008年。o0480067512937777696


大昔 この地に教会(シャペル)が有ったとか無かったとか。

今となってはクロ・ド・ベーズのベーズ修道院の説同様 誰も事の真偽を知る由もありませんが・・・

ところで今回珍しい事例に当たりました。

ドメーヌ ジャン・エ・ジャン・ルイ・トラペの
2008年 シャペル・シャンベルタン グラン・クリュと
2011年のシャンベルタン グラン・クリュを抜栓したのですが・・・

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結論から言うと

間違いなく美味しかったのですが
ブッションに造り手以外の、
つまりヴィンテージと畑名の刻印がされていなかったのです。

すぐさま購入元の日本正規代理店に電話をし確認をしたところ

「刻印したコルクが足りなくなったときに 代用品として 造り手の名前だけが刻印されたブッションを使用することがある」とのこと。

今回は2本とも正規代理店からの直接取り引きでしたからフェイクボトルの心配はありませんでしたが
もしワインショップ、
インターネットなどで購入したものなら
疑心暗鬼に陥り美味しく飲めなかったかもしれません。

なぜなら 世界的に有名なオークションハウスでフェイクボトルか本物かどうかを見極める時まず最初に確認するのがブッションだからです。
(アルミキャップを外して確認します)

以前 安価のムートン・カデのフェイクボトルが大量に発見された事を考えると超希少ワインでなくてもフェイクの可能性はゼロではないのです。

ましてや今回はヴィンテージも畑も違う高価なグラン・クリュ ワインです。

アトランダムの2本がこれですから たまたまとは言えないと思いますし
ドメーヌのなかでも1、2を争う高価なワインですから

「コルクが足りなかった」

は言い訳にならないでしょう。

われわれブルゴーニュファンは
「ブルゴーニュらしい」
と笑えますが・・・

せっかく畑や栽培、造りに拘っていてもコルクで気を抜いてしまっては残念です。

コルクの刻印の問題は残りますが
皆様には可能であれば今回の様に正規代理店物の購入をおすすめします。
とても美味しかった。

ちなみに
今ワイン会で人気が有ったワインは
ドメーヌ・デ・シェゾー
グリオット・シャンベルタン グラン・クリュ 2010年と
このドメーヌの
シャンベルタン グラン・クリュ 2011年
でした。

ちびたさんのワイン会 その2・・・

赤ワイン1本目は

今や造られるそのワインがネゴシアン物ではなく ドメーヌ物のそれと同じように畑仕事から携わっていて
「フェルマージュでワインを造っている」
(契約上は買い葡萄という事になってますが・・)
と言っても過言ではない
モレ・サン・ドゥニ村に居を構える
フレデリック・マニアン。

シャンベルタン クロ・ド・ベーズ
グラン・クリュ 2008年。

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2003年頃までの同造り手のイメージとは全く違った印象で 繊細でエレガント、風味豊かで余韻を楽しむ仕立て。

2000年まではとにかく濃く力強い仕立てのワインだったと記憶しています。
(どちらかというと
マジ・シャンベルタンの様なパワフルな感じ・・・)

一族のドメーヌ ミシェル・マニアンを若くして継ぎ1995年には自身の名を冠したネゴシアンを立ち上げ 年々その評価を上げている
フレデリック・マニアン氏は近年葡萄畑耕作の専門会社も興しました。

今回ラインナップに入った
ジュヴレイ・シャンベルタン村の
グラン・クリュ
シャンベルタン クロ・ド・ベーズは
樽会社フランソワ・フレール社の3年乾燥の特注品で
ブルゴーニュでこの樽を使用しているのは他に

ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ、

ドメーヌ ルロワ、

コント・ラフォンのみ。

(2次使用は除く)

そして これら全てのドメーヌに共通して言えることは

「樽の香りを極力付けないようにしていること」です。

一昔前に世界中で流行した
(アメリカではいまだに人気)
いわゆる樽香はブルゴーニュのヴィニュロンにとってあまり良い言葉ではありません。

厚化粧と同じようなニュアンスで語られています。

ドメーヌ ルロワでは新樽の風合いを避けるため食塩水で徹底的に内側を洗い たっぷりの水で洗い流し 乾燥させた後にようやく使用に至るそうです。

更にフレデリック・マニアンはSO2を好ましく思ってないことで有名な造り手ですので輸送の善し悪しも気になるところでしたが それは取り越し苦労に終わりホッとました。

クロ・ド・ベーズが持つはずの
ティピシテがしっかり表現されていたと思います。

ただ翌日 偶然にも同じくSO2をほぼ添加しない造りで有名な DRC 共同経営者の
アンリ・フレデリック・ロック氏が当主を務めるドメーヌ プリウレ・ロックがマリオン家からの借地畑で造る

シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ
2008 年。

をお裾分け頂き試飲しましたところ その造りが素晴らしすぎて前日のフレデリック・マニアン作が記憶から遠ざかってしまったのは 経験値がなせる業でしょうか。

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アンリ・フレデリック・ロック氏 流石です。