収量が極端に少ない場合の仕込み・・・


1ヘクタールに満たないような小さな作地面積からワインを造らなければならない場合・・・

例えばアルベール・ビショー社、
ドメーヌ デュ・クロ・フランタン名義の特級ワイン
リシュブール(約7.33アール)

同社はリシュブールの所有者中最小面積の所有者で、年間300本に満たない瓶詰めしか出来ません。
(以前の「DRC・・・から読み解くブルゴーニュワインの生産量・・・」の回で瓶詰め本数の説明をしています)

実際そこまで少ない量では物理的にピジャージュなどはできないのでは?と思い調べてみますと このドメーヌでは小樽に入っているマストを樽ごと人間が転がすそうです。

ドメーヌ ジョルジュ・ルミエの
ミュジニー グラン・クリュや

ドメーヌ フルーロ・ラローズの
モンラッシェ グラン・クリュ、

ドメーヌ クロード・デュガの
グリヨット・シャンベルタン グラン・クリュ
などはあまりの収穫の少なさから他のキュヴェとは違う造り方をしていることは以前にもご紹介させていただきました。

また梗まで熟していれば全房発酵で仕込めるので(梗は約70%が水分なので量が多くなります) 収穫の見極めも大切です。

もうひとつ。
梗を含めて発酵させるとその水分の多さから急激に温度が上がらずゆっくりと 酵母が傷まずに発酵するのでワインに良い結果をもたらすという考えもあります。

希少価値もさることながら、造り手の英知の結晶である少量生産のワイン。
探してでも手に入れたいワインのひとつです。

o0405072012814959411