日別アーカイブ: 2014年1月15日

コルトン・シャルルマーニュ グラン・クリュ・・・

ところで

「《Acidification》アシディフィカシオン(補酸)・・・」

の回でもご紹介しましたが、猛暑などにより葡萄のマチュリテが進みすぎ糖度は充分だけれど酸が足りなくなってしまったとき、フランスのワイン法では補酸が認められていますがポリシーとして決してアシディフィカシオンをしないと決めている生産者も居ます。

ではどうするか?減酸効果を得るためのマロラクティック発酵を意図的にブロックするのです。

ブルゴーニュ地方でこの事を公言してやまないのがルイ・ラトゥール社。

最近様々なドメーヌの物を試飲する機会が多いコート・ド・ボーヌ
白のグラン・クリュ
コルトン・シャルルマーニュですが、
ルイ・ラトゥール社の
醸造責任者ボリス・シャンピー氏が

「コルトン・シャルルマーニュは豊満な風味とオイリーなテクスチャーがあるべきで、シャブリではないので酸はそこまで重要視していない、背後に感じられれば良い。」

と仰っていたのをある書籍のインタヴュー記事で目にしたことがあります。

もちろん 必要最低限の酸は備えた上でのお話しですが造り手によって大事にしている部分が随分と違うのですね。

つまりその造り手の意図を与して試飲すれば より一層ワインを飲む楽しみを感じられるのではないかと思います。

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コルトン・シャルルマーニュ
最大の所有者
ルイ・ラトゥール

コルトン・シャルルマーニュ
グラン・クリュ 1999年。

ボリス・シャンピー氏の前任者
ドゥニ・フェッツマン氏の作品。

新樽率100%にも耐えうる葡萄の成熟度は圧巻で オークの風味にワインが負ける事などありません。

そして頂いたこのワイン。
綺麗な酸と豊満な香りが漂う素晴らしいワインでした。

収量が極端に少ない場合の仕込み・・・

1ヘクタールに満たないような小さな作地面積からワインを造らなければならない場合・・・

例えばアルベール・ビショー社、
ドメーヌ デュ・クロ・フランタン名義の特級ワイン
リシュブール(約7.33アール)

同社はリシュブールの所有者中最小面積の所有者で、年間300本に満たない瓶詰めしか出来ません。
(以前の「DRC・・・から読み解くブルゴーニュワインの生産量・・・」の回で瓶詰め本数の説明をしています)

実際そこまで少ない量では物理的にピジャージュなどはできないのでは?と思い調べてみますと このドメーヌでは小樽に入っているマストを樽ごと人間が転がすそうです。

ドメーヌ ジョルジュ・ルミエの
ミュジニー グラン・クリュや

ドメーヌ フルーロ・ラローズの
モンラッシェ グラン・クリュ、

ドメーヌ クロード・デュガの
グリヨット・シャンベルタン グラン・クリュ
などはあまりの収穫の少なさから他のキュヴェとは違う造り方をしていることは以前にもご紹介させていただきました。

また梗まで熟していれば全房発酵で仕込めるので(梗は約70%が水分なので量が多くなります) 収穫の見極めも大切です。

もうひとつ。
梗を含めて発酵させるとその水分の多さから急激に温度が上がらずゆっくりと 酵母が傷まずに発酵するのでワインに良い結果をもたらすという考えもあります。

希少価値もさることながら、造り手の英知の結晶である少量生産のワイン。
探してでも手に入れたいワインのひとつです。

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