ブルゴーニュ地方に必要のない産地などひとつも有りませんが、
ピノ・ノワールを代表する産地を2つ挙げなければならないとするなら、
この2村が候補にあがると思います。
ジュヴレイ・シャンベルタン村。
ヴオーヌ・ロマネ村。
グラン・クリュの数だけとっても圧倒的に多いですし、
ひとつひとつのクオリティが異次元に高い。
「厳格な」と枕詞を付けて表現されることの多いジュヴレイ・シャンベルタン村のグラン・クリュ。
異論の余地はありません。
以前ご紹介したので
9つあるグラン・クリュの畑
全てはご説明致しませんが、
どの畑も村を代表するに相応しい貫禄です。
一方、「女性的で豪奢」な印象のヴオーヌ・ロマネ村のグラン・クリュは
8つ。
うち 4つの畑が 単独所有 いわゆるモノポールですので、豊潤でお金持ちの集まる村というワインに相通ずるイメージがあります。
それぞれの宗派、土壌によって全く違う印象で語られることが多い この2村ですが、
実は ヴオーヌ・ロマネ村 の中だけでも
リシュブールより北は
「厳格なシトー派」、
隣のロマネ・コンティから南は
「贅沢なベネディクト派」。
と対極の宗派が存在し、
それ以外に もうひとつ アンヌ・グロさんの話によると、
質素なキリスト教と
富の象徴ブルボン王家 コンティ公
という図式もあるようで、
この相反する2つの勢力が入り交じった場所でもあるのがヴオーヌ・ロマネ村。
だそうです。
余談ですが、ロマネ・コンティより南側に、高価な畑をモノポールで所有出来続けた理由。
おわかりいただけたかと思います。
上記の来歴を知ると この村には、厳格なワインが有っても良いし、豊かで豪奢なワインが存在しても不思議ではないと 思えてきます。
何をもってしてヴオーヌ・ロマネのワインとするのか、実はとても曖昧です。
そして先日御注文頂いたこの2本。
ドメーヌ ペロ・ミノ シャンベルタン グラン・クリュ 2009年。
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ ヴオーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ キュヴェ デュヴォー・ブロシェ 2009年。
(正規代理店では、2009年ヴィンテージより こちらのワインは酒販店への販売をしなくなり、我々レストラン業種のみの取り扱いとなった様です。今年も割り当てを頂けますでしょうか、気になります。)
ドメーヌ ペロ・ミノのシャンベルタンは厳格ながらも、陽気で華やかな印象のクリストフ氏が造った事を知って飲むと 少し違った印象になるかもしれません。
ワインを良くご存知のお客様にブラインドでお出ししたところ その柔らかな印象から ニュイ・サン・ジョルジュ のワインと答えてらっしゃった位です。
気持ちわかります。
一方の DRC のワインは、
ヴオーヌ・ロマネ村全域の
同社所有 グラン・クリュ畑の若樹を
アッサンブラージュしていますので、
平均的な・・・と言いたいところですが
ヴオーヌ・ロマネ村の王道、
ベネディクト派の影響が色濃く出ていたと思います。
アッサンブラージュの割合で南側の畑が多かったとしたら、何とも贅沢な一級ワインです。