故フランソワ・ミッテラン元大統領のプライベート料理人として約2年間 エリゼ宮の厨房で腕を振るった ダニエル・デルプシュの実話に基づいた物語。
先日の定休日に見てきました。
「En japonais, il est possible de le décrire avec un seul mot : o-mo-te-na-shi.」
先週末 滝川さんが、フランス語で
スピーチなさったこの言葉。
実はフランス人のフランス料理料理人にも根付いています。
冒頭でご紹介したダニエル・デルプシュさんが正にそうで、ミッテラン大統領の身体を気遣い、表にはあらわれない部分でとても尽力されていました。
詳しくは 映画をご覧ください。
表立ってするのが、サーヴィス。
これはヨーロッパの得意分野。
ゲストに気を遣わせず、気付かれず、ふっと思い返した時に はっ、と思い当たる、ゲストがボーッとしてたら
“気付けない”のがおもてなし。
日本人の得意とするところです。
フランス料理の世界では その垣根は無くなりつつあり、日仏両国共に学びあえる分野だと思います。
ところで、
劇中 厨房で祝杯を挙げるシーン。
「ルイ・ロデレール クリスタル」が
ミッテラン大統領の一番好きなシャンパーニュとして登場します。実際 そうだったのですが、当時失業率の高かったフランスでそれを言うと少し不謹慎に取られたかもしれません。
高価なワインですから。
そこで、任期中 公式シャンパーニュとして白羽の矢が立ったのが
「テタンジェ」
勿論 ノンヴィンテージ。
公式には、ミッテラン大統領は テタンジェを愛飲していたといわれています。
公には・・・
私は、ミッテラン大統領任期中に渡仏の機会が多かったので、公式晩餐会と言えば
「テタンジェ」のイメージがついてます。
(オープンして7年間、エピのハウス・シャンパーニュはテタンジェです)
フランス本国で近年再評価されている故フランソワ・モリス・アドリヤン・マリー・ミッテラン元フランス大統領。
ここに来て、色々と本当の事を公表出来る時が来たようです。
「バベットの晩餐会」、
「料理長殿御用心」、
「ディナー・ラッシュ」、
「厨房で逢いましょう」、
「リストランテの夜」、
「マーサの美味しいレシピ」、
「ラスト・ホリデイ」等々料理が効果的に登場する映画は沢山ありますね。
「Les saveurs du Palais」(宮殿の味)
邦題「大統領の料理人」
フランス好きの料理人が見ておくべき映画が、また1つ加わりました。
「・・・・laissant à tous les visiteurs, des souvenirs pour la vie.」
滝川さんがスピーチの最後を締めくくったフレーズですが、Les Visiteurs, の部分を Les Cuisiniersに代えれば、これらの映画を見終わった後の感想として 相応しいかもしれません。