月別アーカイブ: 2013年6月

ドメーヌ デュジャック・・・

都内でフランス料理店を経営している友人の店にお邪魔して参りました。

個室もある店内は相変わらずの満席で、活気のあるゲストフロアは冷房の効きを妨げる程に賑わってました。


まずグラスのシャンパーニュで喉を潤し、夏定番の料理をコース仕立てにしたメニューと合わせて頂いたワインは、
《ドメーヌ デュジャック》の
シャンボール・ミュジニー1999年。

以前 ブルゴーニュ ワイン・テイスティング・セミナーでお会いした、
《ドメーヌ A&P ド・ヴィレーヌ》 ピエール・ド・ブノア氏と
《ドメーヌ デュジャック》 当主ジャック・セイス氏 御長男
ジェレミー・セイス氏によると、1995年と1999年は酸の不足に起因した、
「熟成に向かない年である・・・」


「酸のタイプにより、熟成が早く進み、ワインが疲れやすくなりやすい」

その時代のコルクの質、SO2の添加量、収穫時期、クローンの選択・・・原因は様々考えられるといいますが、造り手の方々曰く、赤、白共に
「1995年と1999年は早飲みのヴィンテージ」のようです。

ジェレミー・セイス氏はその後の酸の足りないヴィンテージからは、バトナージュの回数を減らして対応したそうです。

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ほほう・・・面白い。

他に飲みたいワインがあったのですが、1999年のデュジャックがあるのなら話は別です。

そもそも好きなヴィンテージですので好奇心で試してみました。


村名なのに(お値段は並の生産者の一級ワインを軽く越えますが・・・)熟成感をたくわえていて、強くないタンニンと際立ったミネラルは既に複雑味を併せ持ち、とてもアプローチしやすいワインに仕上がっていました。
今年3月に試飲した同ドメーヌの
〈クロ・ド・ラ・ロッシュ グラン・クリュ〉には及びませんが、
少し

“モレ・サン・ドゥニ”的というか、

《デュジャック》的というか。

《デュジャック》だから

“モレ・サン・ドゥニ”的で良いのか・・・などと、色々考えました。

が、

やはり、もう既に熟成のピークだったのでしょう、力強く、とてもまろやかで、ブラインドで飲んだら
シャンボールとは言えないかもしれないです。

いやいや、鮎のムニエルとも仔羊のポワレとも見事にマッチしたフレキシブルな対応は、やはりシャンボールのそれでしょうか。

楽しそうなので、エピに在庫している1999年の《ドメーヌ デュジャック》を含む、違う造り手のワインも早速試してみたいと思います。

菊地シェフ美味しいワインと御料理、御馳走様でした。

 

ドメーヌ アニエス・エ・セバスチャン・パケ・・・

ブルゴーニュの女性醸造家率は他の地方と比べても相当高いのではないでしょうか。

ざっと考えただけでも・・・

《ドメーヌ セシル・トロンブレイ》
(セシル・トランブレイと表記される事が多いですが、フランスでは通じないです)

《ドメーヌ アンヌ・グロ》

《ドメーヌ ルフレーヴ》の
アンヌ・クロード・ルフレーヴ。

《ドメーヌ シルヴィー・エモナン》
(良く目にするエスモナン表記は間違いです)

《ドメーヌ トロ・ボー》の
ナタリー・トロ。

《ドメーヌ ジャン・ピエール・ボニー》の
ファビエンヌ・ボニー

《ドメーヌ ルイ・シュニュ・ペール・エ・フィス》の
キャロリーヌと
ジュリエット・シュニュ姉妹。

《ドメーヌ ジャン・ノエル・ガニャール》の
カロリーヌ・レスティメ。

《ドメーヌ パラン》の
アンヌ・パラン

《ドメーヌ ジスレーヌ・バルト》
(ギスレーヌ・バルトと表記される事もありますが、御本人曰く、
「どちらでも大丈夫です。」
だそうです)

《ドメーヌ アニエス・エ・セバスチャン・パケ》の
アニエス・パケ。

《ドメーヌ ナタリー・ヴィゴ》

《ドメーヌ ルロワ》

ラルー・ビーズ・ルロワ。

と、有名どころだけでもこれだけ居ます。

畑や醸造での力仕事も機械の発達により、クリア。
ワイン造りは男性だけの仕事では無くなったのですね。

出来上がったワインを飲むと、
女性醸造家、男性醸造家・・・何も違わないです。

一日の大半を畑で過ごす
アニエス・パケさん曰く、

「ワイン造りに性別は関係ない。ワインに反映されるのは各人の個性」

とインタヴューで仰ってました。

2001年、全くのゼロからドメーヌを立ち上げて、既にこの名声。

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実力を知るには、
AC ブルゴーニュ ピノ・ノワールで
充分事足りますが、

もしマダム パケが著名なプルミエ・クリュか、グラン・クリュを手掛けたら・・・などと、考えただけで胸が躍ります。