県道974号線を北から下り、最初にヴォーヌ・ロマネ村へ入る道を右折。
車で少し走ると《ドメーヌ ファブリス・マルタン》のとても小さなドメーヌが在ります。
そのワイン、日本ではあまり有名で無いのですが、ドメーヌ自体はある理由で知られています。
向かって右隣の白い家が 故アンリ・ジャイエ氏の御自宅だったのです。
(今はどなたかジャイエ氏の親戚の方がお住まいになってます)
既にアンリ・ジャイエ宅の表札、その他は取り外されているので、
氏の元の家は特定しにくい状況・・・
そこで《ドメーヌ ファブリス・マルタン》のドメーヌを目印に探すようになり 、多くの人に知られるようになりました。
勿論ワインも美味しいですよ。
ファブリスと、いえば・・・
その元の国道74号線をヴォーヌ・ロマネ村に曲がらず更に真っ直ぐ進むと、《ドメーヌ ヴィゴ・ファブリス》があります。
フランスではというか本来は、
《ドメーヌ ヴィゴ・ファブリス》です。
こちらは、ドメーヌ近くのご自宅。
その《ドメーヌ ヴィゴ・ファブリス》、
1966年から
《ドメーヌ ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール》からの
メタイヤージュをきっかけに興されたドメーヌで、今現在は、
ご主人と夫人のクリスティーヌさんがワイン造りをしています。
メタイヤージュの畑、トップ・キュヴェは
〈エシェゾー グラン・クリュ〉、
リュー・ディは、
〈レ・ルージュ・デュ・バ〉
同じ畑の
《ドメーヌ ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール》の
〈エシェゾー グラン・クリュ〉と比べると、圧倒的に後者の方に軍配が上がります。
理由は、
リュー・ディ
〈レ・カルティエ・ド・ニュイ〉から造られるエシェゾーと
等分でアッサンブラージュし、複雑味を持たせているから。
地主の強味ですね。
一方《ドメーヌ ヴィゴ・ファブリス》は単一区画からワインを造るしかなく、複雑さに欠け 一歩及ばない感が拭えません。
借地耕作をしてはいますが、ワイン造りに関しては 一切交流が無いらしく、同じコート・ド・ニュイでも意見交換が盛んなシャンボール村のヴィニュロン達とは随分とご近所付き合いのスタンスが違うようです。
ヴォーヌ・ロマネ村のヴィニュロン達の印象は、個人主義(エチエンヌ・グリヴォ氏、ミッシェル・グロ氏を除く)の孤高な造り手が多い様な気がしていますが、皆様の印象はいかがなものでしょうか。
話はそれますが、
《ドメーヌ フランソワ・ラマルシュ》
《ドメーヌ アンヌ・グロ》
《ドメーヌ ジョルジュ・ミュニュレ・ジブール》
の3ドメーヌは隣り合っていて、偶然にも3軒とも女性が当主を務めていますね。
ついでに言うと、この3ドメーヌから造られるワインは、どれも一流の素晴らしい作品ばかりです。