日別アーカイブ: 2013年6月8日

マリアージュ・・・

ペリゴール産のフォアグラと
イタリア産サマートリュフを
メニューに加えたところ、
大変 好評頂き、即日完売となりました。

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フォアグラとのマリアージュの定番は(フランスワインで考えると)ソーテルヌのワインと言われていますが、

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なるほど
テリーヌ・ド・フォアグラならそうかも知れませんが、
フォアグラ・ポワレをヴィネガーを効かせたサラダ仕立てにするなら
ブルゴーニュの白。


ポワレしたフォアグラに
フルーツのコンフィチュールを添えて、
フォン・ド・ヴォーと
シェリー酒ヴィネガーの2種ソースで
(エシャロット、パセリ、ニンニク使用)
熱々を食するのなら少し熟成の進んだブルゴーニュの赤。


ニンニク無しなら
コート・ド・ニュイでいきたい所ですが、この場合
ヴォルネイの赤ワインが合うでしょうか・・・

ポワレするときに、胡桃オイルを使い
ソース・ポワヴル・ヴェールで提供するなら
ボルドー・ワインも選択肢に入ってきます。

オリーブ・オイルでの調理なら
ラングドック・ルーション、
コート・ド・プロヴァンスも良く合います。

ニンニクを使わず、
ソースをリエゾンするときに、
少し多目にクリームを使うなら、
シャンパーニュも選択肢に上がります・・・

理屈では・・・


しかし、グラス形状、提供温度、ソース、調理過程での食材の選び方、付け合わせの工夫ひとつで、ワインを料理に引き寄せる事が出来、俗に言うマリアージュの既存概念は一気に吹き飛びます。

4人のゲスト、
全員違うア・ラ・カルト料理、メインは魚料理、肉料理 各2皿ずつ、ワインはボトルで赤1本。
というか、
まず飲みたいワインが決まっているテーブル。

非常に良くあるシチュエーションですが、この様な場合でもグラス選びと提供温度で、ほとんどの料理に対応出来ますし、料理人がオーダーされたワインを知れば、上記の調理方法の応用でいかようにも対処でき、逆に料理をワインに近づける事も出来ます。

どうぞお好きなワイン、
お好きな料理を選んで下さい。

飲みたいワインと食べたい料理が後付けの理屈で楽しめなくなるほど、フランス料理の文化やワインの懐は浅いものでは無いのです。


知識は有って邪魔にはなりませんし、私達レストラン側が知っているのは当然の義務ですが、ソムリエ世界大会で勝つために必要な知識をレストランで食事を楽しむ時に振りかざすのは、正解とは言えません。

組み合わせを考えてメニューを決めるのも楽しみのひとつですが、固定観念が過ぎるのは考えものですね。

他人が決めた組み合わせは参考程度に留めておくのが、精神衛生上宜しいのではないでしょうか。

トマトやコロッケの食べ方ひとつ取っても10人寄れば、最低でも4種類の調味料の名前が上がりますから・・・

色々と試し、是非とも自由にお楽しみ下さい。