日別アーカイブ: 2013年5月24日

長期熟成に適したワイン・・・

ビオロジック、ビオデナミの造りが徐々に増えてきたブルゴーニュに於いて、長期熟成に適したワインを造ろうとすれば、少なからずリスクを伴います。

例えば、ビオロジック栽培では
《うどんこ病》対策に硫黄を使用しますが、それを使うと ワインが還元的になり、若いうちに抜栓すると 不快に感じる程 硫黄の臭い(還元臭)がすることがあります。

還元香・・・苦手な方が多い様です。

逆に不快に成らない程度の軽い還元は、ワインの長期熟成の可能性を高くし、将来に向けて楽しみなボトルになるはずです。

ただ還元の度合いを意図的に
コントロールすることは難しく、
出来上がったワインが還元方向に振れているようでしたら まず試飲して2本目以降の抜栓時期を判断するしかないでしょう。


《ドメーヌ ルロワ》や

《ドメーヌアンリ・グージュ》

など、知らないで飲むと驚くほど還元的だったりします。

〈マダム ルロワ〉や
〈グレゴリー・グージュ氏〉は、
勿論それを利点として捉え、意識しながら醸造されています。


熟成が程好く進んでからのこれらの
ワインは絶品です。

メリル・ストリープ主演の映画
「ソフィーの選択」。

物語の中で
〈メリル・ストリープ〉扮する主人公の
〈ソフィー・ザフィストフスカ〉

1937年の《シャトー・マルゴー》を飲んで言ったセリフ、

「もしこの世で・・・、この世で聖人のように清く 生きて、そして死んだら、天上の楽園で飲ませてくれる のはこのワインよ」


1940年に同じワインを飲んでも
このセリフは出なかったでしょう・・・

数有るブルゴーニュワインの中で ずーっと先の将来、ソフィーと同じ感想を持てるワインが有るとしたら、それは 若いうちは還元的で飲みにくいワインかもせれません。

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