何度か試飲した事があるワインです。
自分で購入、試飲したのは、
1990年の1本だけですが、あとは試飲会かワイン会での経験です。
ボルドーの中では5本指に入るくらい好きな銘柄ですが、
如何せん高価でいつでも飲めるわけではありません。
「はい シェフ。プレゼントだよ、これ飲んで~」
と言って先輩が持って来てくれたのは、見たところ どうやら
〈オールド・ヴィンテージ・ワイン〉
先ずはブラインドで頂きましたが、古酒であること以外、良い意味で突出した部分を感じない まるで球体のイメージ。
持てる要素が多すぎて、逆に何も掴み取れない感覚に陥ります。
(私の経験不足を鑑みても、です)
液体に重さは無く、す~っと体に染み入るこの感じは 抜栓を我慢し続けた人間にのみに許された
〈オールド・ヴィンテージ・ワイン〉
でだけの体験。
ただ 《サン・ヴァンサン》は気まぐれに目の前に現れてくれる事も有るようで、
今回 私の様な、我慢の足りない人間にも微笑んでくれました。
今回の場合、
天国の門番《サン・ぺトロ》ですか・・・
ヒントでワインは分かりましたが、まさか そのワインだとしたら、余りにも高価。
あり得ない・・・
「えっ?まさか・・・本当に?」
元々は混合品種として見られていた葡萄品種、
「メルロー」を95%~100%使用して造られている当時としては、常識はずれのワイン。
1945年からこのシャトーを単独所有していた
《マダム エドモン・ルバ》が、
「ボルドー5大シャトーより安価では、販売しません」
と言った話は有名です。
ニューヨークのレストラン
《ラ・パヴィヨン》に売り込みを掛けて、大成功を納めた
初代《ポムロールの奇跡》。
《ペトリュス》
その1985年物。
20年前に購入、
7年前に抜栓。の
1990年エチケット。
久しぶりに頂いた
グラン・ヴァン《ペトリュス 》。
1990年の《ペトリュス》に対する試飲記録に書かれた私の印象記とは、全く違う体験をさせて頂きました。
何気無く持って来るには、余りにも豪華なワインで驚きました。
フランス料理界の重鎮は、気前が良い方が多く、そのサプライズはいつでも私の想像を越えています。
Y先輩、ご馳走さまでした。
ちなみに、上記の ニューヨークにあった、
ケネディ大統領御用達のレストラン。
《ラ・パヴィヨン》と言われていますが、《パヴィヨン》は男性形の名詞ですので本来は
《ル・パヴィヨン》です。
店名にする位ですから、辞書は調べたと思いますので、単にオーナー
《アンリ・ソーレ氏》の
「言葉の響きの好み」でそうしたのでしょうね。