コート・ドールは「黄金丘陵」と訳されていますが、元々は、
東(オリオン)に面した丘
《コート・ドリオン》つまり
(コート・ド・オリオン)でした。
(Orient “東向” → Or “金”)
しかし、実際 秋頃には黄色に色付いた葉が黄金色に見えます。
また黄金丘陵の方が風情があって良いと思いますし、フランス人もそれで良いと言っています。
サヴィニィ・レ・ボーヌのクリマ
ヴェルジュレスも諸説あり 面白いです。
ひとつは、
ブルゴーニュ公国の大公にこのワインを献上したところ、大変お気に召した大公は
「Vin je bois・・・verre je laisse・・・ 」
(ヴァン ジュ ボォア ・・・ヴェール ジュ レス・・・)
訳すと
「ワインは飲み干し、グラスを置く」。
と仰ったとか。
もうひとつは、9世紀から12世紀にかけて勢力を誇った、
ヴェルジー(Vergy)家。
今でもブルゴーニュの至るところにその名前が残っています・・・通り名であったり、畑名であったり。
「ヴェルジー家が定住した丘へ向かう途中にある村」
フランス語の訳が分かりませんが、そこから派生した言葉。
この説が有力です。
上の説の方が、ロマンを感じますけど・・・
問題はシャンボール・ミュジニー村のプルミエ・クリュ
アムルーズですね。
まず文法的解釈でいうと、
数多あるワイン誌に書いてある
「恋人たち」は間違えています。
「間違え」は言い過ぎかもしれませんが、
これは「女性同士の恋人達」になります。
《Les Amoureuses》ですから、女性形の複数です。(今の感覚ですとそれで良いのかも・・・しれませんが・・・)
もし男性を含むカップルが一組でも居たり、その団体に一人でも男性が居れば男性形の名詞、形容詞で呼ぶので、
《Les Amoureux》になります。
フランスは文法だけは、男性が強いですから・・・上手い訳がありました。
「恋する乙女達」。
これはいい。これなら文法上もおかしく無いし、何よりもワインのイメージにピッタリ。
その昔、
《ミュジニー・アムルーズ》と呼ばれていた事を鑑みると、恋するお相手は
《ミュジニー・グランクリュ》でしょうか。
でも、もう1つ説があります。
これはご存知無い方がほとんどだと思いますが、ブルゴーニュでは、結構有力な説です。
気を確かに持って下さい。全くロマンチックではありませんから。
「雨が降った後のその畑は、土が重たく、泥が靴にくっ付いてなかなか取れない・・・まるで愛し合う恋人たちの様に・・・」。
ある意味テロワール。