日別アーカイブ: 2013年5月7日

熟成樽のトースト加減とグラン・ゼェシェゾー・・・

《フランソワ・フレール社》の事をご紹介したブログで、樽内部の焼き加減の事を書きました。

思い違いがあるといけませんので、捕捉させていただきますが、焼き加減が浅ければ浅い程 ワインに移る樽の香りは強くなります。

逆に、焼きが強ければ 樽香はワインに移りにくくなるらしいです。

(シャンボール・ミュジニー村の
ドメーヌは、ミディアム プラスという焼き加減が多かったのですが、とてもこの村のワインらしいなと思いました)

焼きが強い方が樽香が有りそうですが違うのですね。

樽の焼き加減と樽香の関係・・・
真逆の関係性を意外に思われた方もいらっしゃると思います。

以上 参考まで・・・

前回のブログ、《エシェゾー》の話をしましたが、

「何故 《グラン・ゼェシェゾー》は
《エシェゾー》より畑面積が小さいのに
グラン(大きい、偉大な)なのか?」

答は2つありますが、1つは嗜好に関わる事なので割愛して、物理的なことでいうと AOCが制定されるまで
《グラン・ゼェシェゾー》の方が圧倒的に大きかったからです。

簡単でしたね。

(ちなみに
《グラン・ゼェシェゾー》。
その名前がクリマ名として与えられてから一度も面積が変わっていません)

味わいは好みですが、同じ造り手の両ワインなら、私の印象は大概
《グラン・ゼェシェゾー》が上回ってます。
恐らく理由は、
傾斜度の関係で 水捌けが良い、もしくは良すぎる《エシェゾー》
なので、
ミネラル分や表土が流出し易く、養分を蓄えにくい。
それがワインの複雑味不足に繋がっているのではないでしょうか。

一方ほぼ平地に位置する
《グラン・ゼェシェゾー》は
《ミュジニー グラン・クリュ》と母岩が同じ”コンブラシアン石炭岩”と言うことも相まって、骨格のしっかりした風格漂う
グラン・クリュらしいワインが仕上がります。

ヴォーヌ・ロマネ村8つの特級畑で3つ以上のリュー・ディ(全部で10のリュー・ディ)から成るのは
《エシェゾー》だけで、これはいかにも後から付け足されたクリマだと知ることが出来ます。

他のグラン・クリュは
1つか、2つで成り立っています。

例えば《ロマネ・コンティ》の
リューディ名は
《ラ・ロマネ・コンティ》

《グラン・ゼェシェゾー》の
リューディ名は
《レ・グラン・ゼェシェゾー》

《ラ・ロマネ》はリューディ
《ラ・ロマネ》

《ラ・ターシュ》は2つ。
《ラ・ターシュ》と
《レ・ゴーディショ》

《ラ・グランド・リュ》も2つ。
《ラ・グランド・リュ》と
《レ・ゴーディショ》

リュー・ディとは、単に行政区画上の便宜的区分ですから、
「土壌の成分的区分」及び
「気象観測上区分」のクリマとは何ら関係無いのですが、この辺りの事に整合性が見られると 何故か筋が通っている気がします。

(実は少し関係あります。なにしろ
知名度のある葡萄畑の名前を
村の名前に付けている位
「ワインありき」の村々ですから・・
長くなるので、いずれまた・・・)

誤解を恐れずに申し上げますと、
《エシェゾー》はリュー・ディと
造り手に左右されますが、
《グラン・ゼェシェゾー》は造り手においてのみ優劣が決まると言って良いでしょう。

「偉大な」と形容詞を付けて呼ばれる、 ヴォーヌ・ロマネ 特級
グラン・ゼェシェゾーo0405072012529198775

疑う余地など微塵も無い、

「真の実力者」。