オファーが、あれば必ずオーダーするワインがあると数回前のブログで書きました。
《グリオット・シャンベルタン グラン・クリュ》
正直申しますと、殆どオファーは来ません。
数が少なすぎるのです。
ジュヴレイ・シャンベルタン村の
特級畑中 最小の2.73ヘクタール。
このクリマを9人の所有者で分けあっていて、資料によると1ヘクタールを越える面積で葡萄を栽培しているヴィニュロンは誰一人として居ません。
所有しているだけなら、
《ドメーヌ デ・シェゾー》が約1.5ヘクタールで最大所有面積になりますが、以前申し上げた通り、その全てを《ドメーヌ ポンソ》と《ルネ・ルクレール》にメタイヤージュ契約で貸し出していますから、やはり1ヘクタール以下での栽培面積になります。そして、このクリマで世界的に人気なのが
〈ドメーヌ クロード・デュガ〉
《グリオット・シャンベルタン・グラン・クリュ》を0.25ヘクタール所有する超スター・ドメーヌ。
このドメーヌの《グリオット》は、先日のとあるオークションで2010年物が軽く10万円を越えていました。
従兄弟のベルナール・デュガ氏の2010年ワインも同じオークションでは、相変わらずの高値でした。
2010年は雹害のため、例年の60%しかワインが造れず、希少価値が上がった為で、価格は更に上昇傾向にあります。
当主 クロード・デュガ氏は、
《グリオット》の畑名の由来を
「諸説ある話の中で《Grill》グリル(焼く)、が転じて《Grillotte》になった。
この説に賛成です」
とインタヴューで仰ってました。
デュガの《グリオット》は同ドメーヌの《シャペル・シャンベルタン》よりは多く出荷されていますが、それでも400本から560本。
ドメーヌへの訪問は奇跡ともいえますが、幸運にもその機会に恵まれたらドメーヌでの試飲は・・・
《シャルム》
《グリオット》
《シャペル》
の順番で、ちょっと意外だと思う方も居るようですが
いかんせん《シャペル》は年間1樽弱。300本に満たないので 少なすぎ、安定した印象をもちにくいです。
しかも0.14ヘクタールから造られる《シャペル・シャンベルタン》の半分は、メタイヤージュ契約の為 別名での出荷になります。
《ドメーヌ クロード・デュガ》に限らず、
希少で高価なトップキュヴェだけではなく、そのドメーヌを識るのに
相応しいワインがあります。
広域ワインの
《AC ブルゴーニュ・ルージュ》
〈ドメーヌ クロード・デュガ〉が、1.5ヘクタール所有する《ブルゴーニュ・ルージュ》の畑から造り出されるACブルは、同ドメーヌの特級畑のワインと比べれば勿論 余韻の長さや、複雑みに若干欠けますが、並みの生産者の村名を軽く凌ぎますし、幾らか瓶詰め本数も多いので入手しやすいです。
往々にして広域ワインは、収量が多くなりますので造り手の個性が出しやすい様です。それでもデュガのワインが見つからないときは、
クロード氏の子供たち、ベルトランさん、レティシアさん二人が2002年に興したネゴシアン、
《ラ・ジブリオット》があります。
ここのワインは、マストを樽詰めする所からが仕事のメゾンですが、ワインの買い付けは、クロード氏を含む家族全員の試飲で決まるそうですので、クオリティは高い上に、前年の《ドメーヌ クロード・デュガ》で使用した樽を使い、
エルヴァージュもドメーヌと変わらない気温のカーヴで行われますので、レストランでオーダーに迷ったら選ぶべきワインの1つです。
《ドメーヌ クロード・デュガ》の流れを感じ取る事が出来るかも知れません。