日別アーカイブ: 2012年10月17日

シャンパーニュ・・・

「私は幸せな時と悲しい時にシャンパーニュを飲みます・・・

ひとりで居る時に飲むこともあります・・・

友人達と過ごす時に飲むのは当然の義務です。

そして食事の時には少しだけ頂きます・・・

今申し上げた時以外 私はシャンパーニュには手を触れません・・・

勿論 喉が渇いたときは別ですよ」

〈ボランジェ〉社 3代目当主、ジャック・ボランジェ氏の妻 エリザベス・ リリー・ボランジェ夫人。

これは皆様良くご存知、シャンパーニュ地方で造られている発泡性のワインをマダム ボランジェがいかに愛飲しているか説明されている有名な一文。

いつでも飲んでます・・・

シャンパーニュ

そう あのきめ細やかな泡が爽やかで、パーティーやお祝いの席では欠かせない美しい黄金色のゴージャスな飲み物。

今でこそ発泡性のワインで唯一無二の地位を確立しているシャンパーニュ地方ですが、その昔はブルゴーニュ地方と双璧を成すスティルワインの産地で 、この2つの産地は 約130年間も「良質なワイン産地としての名声」論争を繰り返し、実際の戦争直前になりそうなほどまで争っていたと記録に残っています。

ドン・ピエール・ペリニョン。

〈モエ・エ・シャンドン〉社のトップ キュヴェで有名なその名前は、数多ある雑誌 (ワイン専門誌を除く) 等で シャンパーニュを発明した人物のように紹介されている事が多いのですが、全くの誤りです。

シャンパーニュは誰も発明などしていません。

出来てしまうのです。

それはシャンパーニュ地方の冷涼な気候によって しかも偶発的に・・・

ドン・ペリニョンが取り組んでいたのは むしろその泡を取り除く事。

1630年頃、ワインと言えば赤。
そして「ワインに混在する泡は不良品」とされていたのですから、ドン・ペリニョンが造っていたワインは勿論スティルワインの赤と若干の白。

ドン・ペリニョンの功績は 選果、剪定、個別の仕込み、何よりアサンブラージュの技術を後世に残した事でしょう。
より良いワインを造る為の技術ということです。

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シャンパーニュ好きで有名なルイ14世も16歳から亡くなる77歳まで愛飲していたのは泡の無い”シャンパーニュ産”のスティルワインだったのです。

ルイ14世とドン・ぺリニョンが亡くなった後に泡の入ったワインが人気を呼び、それが意図的に安定して造られる技術が確立されて 今日の様な”発泡性のワイン産地としての名声 を得たのです。
それに伴いブルゴーニュ地方との確執も自然と無くなりました。

以前このブログで紹介したお話・・・

ル・メニル=シュル=オジェの高級シャンパーニュメゾン 〈サロン〉 の社長 ディディエ・デュポン氏曰く「サロンは偉大な白ワインです、シャンパーニュで造られているので 泡もでますがね・・・」

ご理解頂けたかと思います。

エピでは、グラン メゾンのシャンパーニュは勿論の事、稀少な レコルタン・マニピュラン物も常時ご用意しております。

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