DRCの全てのキュヴェには各ワインごとに その年瓶詰めされた総本数が記入されていて 同時に個体のシリアルナンバーも記されているので何本中何本目のワインかが判るようになっています。
これは マニア心をくすぐるだけでなく、顧客管理、偽造防止の意味でもとても有効な事です。
で、しばし考えるとあることを思います。
「これって多いの?少ないの?」
例えば上の画像《ヴォーヌ・ロマネ 1er クリュ》の場合1ケース12本(6本入りも有るので、念の為・・・)で考えると
「1999年は21.055本、1.755ケース」
「2002年は13.028本、1.086ケース」
「2004年は4.409本、367ケース」
「2006年は10.160本、847ケース」
「2008年は7.899本、658ケース」等です。
2004年と2008年は極端に数が少ないですね。
しかし一般的に考えるとこの数字、随分沢山生産されている様に感じますが・・・
解りにくいと思いますので、もうひとつの有名ワイン産地 ボルドー と比較してみます。
5大シャトーの
《シャトー・ラトゥール》は
「年間平均生産量400.000本、33.333ケース」
《シャトー・ラフィット・ロートシルト》は
「年間平均生産量420.000本、35.000ケース」 桁が違います。
これは ふらっと 大手酒店に入ってみたら必ず陳列棚に置いて有るという事を意味します。
あれだけ高いクオリティーのワインを平均で40万本も生産するのは大変な事ですが、希少価値はあまり感じません。
ですから《DRC ヴォーヌ・ロマネ 1er クリュ 2004年》の『367ケース、4409本』なんてそのワインを欲しがる世界中のワイン愛好家の数に比べたら “無い“ みたいなもので、それは輸出禁止にもなる訳です。
因みにワインの業界では
「2000ケース以下はなかなか見つからない」ですし、
「500ケース以下なら店舗には並ばない」レベル。
50ケース以下は「幻のワイン」と呼ばれ これはもう本とかでしか お目にかかれません。
なにしろ50ケースなんて押入れにすっぽり収まってしまう位の量ですから!
《ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエ》の
《1994年 ミュジニー・グラン・クリュ》
は約300本 25ケースですから
これはもう「本当にあるの?」レベルです。